WHO:新型インフル、世界大流行宣言

【大紀元日本6月12日】世界保健機関(WHO)は6月11日午後6時、新型インフルの警戒レベルを最高基準の「フェーズ6」に引き上げることを発表した。事務局長の陳馮富珍(マーガレット・チャン)氏はH1N1型ウイルス感染の影響はまだ弱いが、必ず世界的大流行(パンデミック)になると警告した。WHOがパンデミックを発表したのは「香港風邪」以来41年ぶりである。

6月11日、新型インフル感染は米・豪・欧・南米及びその他の地区では上昇傾向にあった。

チャン氏は「フェーズ6」に引き上げたことは、国際社会に対する注意信号であり、世界中の国々が互いに協力し合う時であるとし、すべての国は貧困によって孤立無援にならないように出した信号だと示した。

警戒レベルの引き上げ決定は、WHOが新型インフルの緊急会議を開催した後に出した結論である。チャン氏は、すべての国が高度な警戒をするべきだとし、一度新型インフルの患者が出ている国は、第2波に直面することを覚悟すべきだと主張した。

チャン氏は現時点では、すべての患者の症状は軽く、薬物の治療はなくても自力で治る状況で、世界的範囲からみても死亡者数はそう多くはなく、死亡者数の急増もないとみているが、各国では新型インフルの感染は引き続き発生すると警告した。

WHO事務次長補の福田敬二氏は、「この(H1N1型)ウイルスは、ヒト感染するインフルエンザ・ウイルスとして世界中で、1~2年の間に流行するのであろう。われわれは臨機応変に対処すべきだ」と示した。

ロイターによると、新型インフルのウイルス株を入手した製薬メーカーはタマゴで培養し、ワクチンの製造を開始したという。製薬メーカーは、今秋に新しいワクチンの供給に間にあうように開発製造を行なっていることを明らかにした。

これに対して、WHOのチャン事務局長は、各方面の主管当局間の緊密な協力が必要だとし、H1N1型のワクチンの登録手続きがより円滑に行なえるようにしなければ、今年9月からの供給は難しいと示した。

ジュネーブのBBC駐在員によると、WHOは国際社会にパニックを引き起こしたくないことから、国境間の閉鎖や旅行禁止することなどは行なわなかったが、警戒レベルを引き上げたことは、世界各国政府がさらに新型インフルへの予防策を構築すべきであることを意味しているという。

(翻訳編集・余靜)
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