【大紀元日本7月31日】大阪の中心地の一角、中崎町にあるユニークな社会的コミュニティカフェ「天人(あまんと)」。小さな町には自主制作の作家達がもつショップ、廃倉庫を改装した映画館が存在し、サブカルチャーの独特な雰囲気を放っている。このコミュニティ創始者は同名のカフェ店主でダンサーのJUNさん。
天人(あまんと)のリーダーJUNさん。同名のカフェ店主でもあり、国際的に活躍するダンサーでもある。(撮影=大紀元)
彼は2001年に町の築120年の廃家屋を借り、廃材や地域粗大ごみなどを再利用して改築し、カフェ天人を作った。カフェで使われるテーブルは窓の一部だったり、天井は防音剤がむき出しであったりと、古い家屋の雰囲気と手作り的リフォーム感が絶妙にマッチしている。資源再利用と人とのつながりを重視するJUNさんの人柄に人々が集まり、民家再生に関わった人は1000人以上、町内近くに廃屋を借りて同様にお店を始める人も出てきた。
やがて中崎町の廃屋は人々の夢を実現させるコミュニティ「天人」となった。
築100年以上になる家屋を改装してオープンしたヘアサロン。他にも町内にはカフェや雑貨屋が数十件並ぶ。(撮影=大紀元)
8年目を迎える今年のテーマは「シェア」―共存。「天人というコミュニティ作りで培われたノウハウや技術を公開して、町おこしや人々の夢の実現のモデルケースにしたい」とJUNさんは語る。ひとつの社会的コミュニティが存続する鍵として、そこに文化が創造される事に彼らは重点を置いており、天人グループには映画館、文化教室、FMラジオも存在する。
廃屋を利用した自主映画専門映画館「天劇キネマトロン」。毎日無料でドキュメンタリーやドラマを上映している。(撮影=大紀元)
ダンサーでもあるJUNさんのダンスは、日本伝統を引き継ぎつつ、見る人に千差万別様々に反映する舞踏「傾舞(かぶくまい)」。日本のみならず海外でも公演を頻繁に行っている。
また天人では「マント」と呼ばれる地域通貨システムも存在し、コミュニティの独自経済と人間関係がより自然に循環されるようになっている。「マント」は所有するおカネを表す単位で「アート」はボランティア活動に対するポイント。これら二つをX軸Y軸に置き換えて、実社会の経済交渉に代わるものの目安にしているという。
そして今新たに計画されているのは「天職学校」という個人の才能を自由に伸ばせる学校づくり。年齢も問わず、テストもないし入学、卒業もない。互いが響きあい育みあう学校システムをJUNさんは「響育(きょういく)」と呼んでいる。「一つのコミュニティのモデルケースとして、紛争や貧困地域に紹介できたらよい。田舎でスローライフを送ること、都会で社会生活を送ること、両方の『間』をとったコミュニティがあっていい」とJUNさんは天人の持つ中立的役割を話す。
自己修正、成長機能を持つ小規模コミュニティ天人。大阪中崎町発のモデルが、日本中、また世界へ飛来する生物のように日々活動し、進化していく。
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