北京市民が水を買い溜め 水道料金値上げで

【大紀元日本12月18日】16日に開催された北京の「水道料金調整公聴会」を前に、値上げの情報を聞きつけた北京市順義区の住民は、水道水会社で大量の水を購入した。順義区の水道水購入上限は500トンで、4~5年分の水道水をまとめて購入する住民もいた。(※)

「中国新聞網」の報道によると、北京市発展改革委員会は1日、水道料金の公聴会が16日に開催されるという公告を発表した。これによると、今回の調整により居住者向け水道価格は1立方メートル当たり0・9元に上昇し、内訳は水資源費0・48元、汚水処理費0・42元となっている。

「北京晨報」によると、12日午前、値上げ前に水の購入を希望する住民100人以上が順義区の水道水会社に並んだという。水道水を購入しに来た高さんによると、「今までこれほど多くの人が並んでいるのを見たことがない」。高さんは半日並んで、水道水200トンを購入した。

水道水会社が決めた購入上限は500トンまでで、多くの人が300トン、あるいはそれ以上購入しており、「まるで石油価格上昇の前夜、ドライバーが満タンに給油していくのと同じ」と高さんは話す。

北京市水利企画設計研究院副院長は、「北京の水資源は非常に深刻な状態にある。過去において短期間、たまに現れていた水不足状態が、すでに普通の状態になってしまっている」と話した。これは80年代以降、地球温暖化による各地での降水量の減少や、北京市の主な供給水である密雲ダムの貯水量不足などが原因としている。

北京市の水資源は1人当たり200立方メートルにも満たず、世界の都市と比較しても極端に少ない。

(※)購入には水道水専用のICカードがあり、入金すればトン単位で水を買い溜めできる。このシステムは02年頃から北京など大都市の一部で導入され、市民は家に取り付けた専用メーターにICカードを差し込み、入金した分の水道水が使える。

(翻訳編集・坂本)
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