江沢民に国際逮捕状=アルゼンチン連邦裁判所

【大紀元日本12月21日】17日、アルゼンチン連邦裁判所のラマードリッド裁判官は、中国の前総書記・江沢民と最高指導部の元高官・羅幹を、法輪功への集団弾圧の主導者として、ジェノサイド(集団虐殺罪)と拷問の罪で刑事訴訟手続を起動し、二人に国際逮捕状を発行すると裁定した。

同裁定は、同国では「普遍的管轄権」や「引き渡し審理」を行使して人道に反する犯罪を追及する初のケースとなるという。

先月、スペイン国家法廷は、江沢民と羅幹を含む5人の中国高官に対して同じ罪で刑事訴訟手続を起動したばかり。

05年12月12日、法輪功弾圧を執行する「610オフィス」のトップ責任者・羅幹がアルゼンチンを訪問した際に、アルゼンチンの法輪大法佛学会の会長は同国の連邦裁判所に、ジェノサイドと拷問の罪で羅幹を告訴した。連邦裁判所が同告訴を受理し、ラマードリッド裁判官が案件の審理を担当した。

後の法廷調査で、同裁判官は、羅幹の直属の上司である江沢民が法輪功弾圧の発動者であると判断、同案件に江沢民を加え、同罪で江沢民への審理を進めた。

4年間の調査を終えて、ラマードリッド裁判官は2人の被告に対して予審制度の下で刑事訴訟手続を起動し、アルゼンチン国内または国外のいずれにおいても両被告を逮捕するよう決定した。

ラマードリッド裁判官が作成した200ページに及ぶ調書では、「両被告がこのジェノサイド犯罪を実行する過程において用いた手段はきわめて残忍で、人間の生命と人類の尊厳を著しく蔑視している。法輪功の根絶を目的とするこの集団弾圧において、不法逮捕、洗脳教育、虐待、拷問、殺戮が日常茶飯事に行われている」と書き記した。調書の中、同裁判官は、被告らの罪の重大さに鑑み、「普遍的管轄権」の使用を強調している。

原告側弁護団の一人アレハンドロ・G.カウズ弁護士は、「共産党独裁政権下で生きたことがない人間には、その辛さは到底分かり得ない、とルーマニアのある外交官がかつて語っていたが、4年間の調査を行ってきた中、私は身をもってこの言葉の真意を理解した。自由と真理のため、共産主義の残酷さを暴露するための戦いに参加できたことを誇りに思う。連邦裁判所の今回の決断は、この弾圧を制止するための第一歩であり、この弾圧は必ず終結させなければならない」と語った。

原告であるアルゼンチン法輪大法佛学会のフリウェー会長は、連邦裁判所の判断を歓迎する意向を示し、「法輪功弾圧に加担する責任者は全て、法律の裁きから逃れることはない」と述べた。

関係者の証言によると、4年間の法廷調査において、中国当局は原告の代理弁護士や、担当裁判官に絶えず圧力と嫌がらせを繰り返していたという。

法輪功(ファルンゴン)は法輪大法とも呼ばれ、気功によって健康を維持すると同時に、「真・善・忍」の原則を生活で実践して精神の向上を図る中国の伝統的な身心鍛練法。1992年5月に創始者の李洪志氏により伝えだされ、優れた健康維持効果で速やかに中国本土に広がった。1999年7月に中国当局の弾圧が始まるまで、愛好者は1億人に上ったと推定されている。法輪功の公式サイトは、10年間に及ぶ弾圧によって少なくとも3300人が拷問などで死亡、数十万人が投獄されていると発表している。

(記者・林琳、翻訳編集・叶子)
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