【大紀元日本7月4日】インド・チャンディーガル(Chandigarh)地区のパンジャブ大学(Panjab University)の研究チームは1日、近年世界中で多発している「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder, CCD)」の原因に、携帯電話から発せられる電磁波が関係していると発表した。
研究チームは携帯電話をハチの巣に取り付け、1日2回、15分間だけ電源をいれる実験を3ヶ月にわたって行なった、その結果、ミツバチは徐々に蜂蜜を製造しなくなり、女王蜂の産卵量が半減し、巣の大きさも大幅に縮小したという。
また、英国インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College of Science,Technology and Medicine)の生物学者アンドリュー・ゴールズワーシー氏(Andrew Goldsworthy)は、ミツバチの方向感覚に影響する青色光受容たんぱく質「クリプトクロム」が、携帯電話と基地局の電磁波の影響で地球の磁場を感じ取れなくなり、その結果、方向感覚を失ったミツバチは巣に戻れなくなるのではないかと指摘した。
ゴールズワーシー氏はミツバチに影響を与えないように、英国情報通信庁(Office of Communications, OFCOM)に対して、携帯電話の周波数の変更を提案した。これに対して、英国国際蜜蜂研究協会のノーマン・カレック(Norman Carreck)氏は、ミツバチと電磁波の関係は未だ不明確であり、地球の磁場をどう利用して方向を定めるかも明らかにされていないことから、提案を保留している。
2006年秋より、ミツバチが大量に失踪する現象が世界中で発生している。原因は今回の携帯電話電波説や、バロアダニ(varroa mite)説、栄養失調説、殺虫剤説、遺伝子組み換え農作物説、気候変動の影響など諸説あがっている。
英国蜜蜂協会によると、英国で昨年17%減少、米農務省によると米国でも30%近く減少している。農作物への影響が懸念されることから、原因の究明と対策が急がれている。
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