5月買7352億円 中国、日本国債投資を急増 中国学者「日本円の変動はより楽観的」
【大紀元日本7月9日】財務省が8日に発表した統計によると、5月に中国政府が購入した日本国債の額は7352億円に達し、1~4月の総額5410億円を上回った。年間で過去最高水準だった2005年の2538億円と比べ、すでに5倍となった。また購入された日本国債の大部分は期限1年未満の短期国債であるという。
6日、中国は日本国債の購入が多くのメディアに報道されたことを受け、中国外交部スポークスマンの秦剛氏は記者会見で、日本国債の購入について質問を受けた際、「中国は流動性、安全性、価値保全および増価性の原則に基づいて外貨準備を操作しており、現在、多元化戦略を徐々に実行している」と述べた。しかし、中国保有の日本国債が増加しているかどうかについては、「他の関連部門に尋ねて欲しい」と直接的な答えを避けた。
上海交通大学の安泰経済管理学院の潘英麗教授は、7月8日付「第一財経日報」の取材で、「日本国債の保有増加で、わが国の外貨準備高の運営構造は、より安全でより合理的な方向に進むことができる」とコメントした。また、「日本の公的負債総額の対国内総生産(GDP)比が、他の先進国と比べ非常に高くなっているが、日本の輸出の力強い回復や強大な経済基盤から見れば、(為替市場において)将来、日本円の変動は、ユーロや米ドルと比べて、より楽観的な傾向になるだろう」との見解を示した。
同教授は、国家為替管理局が安全性を最優先に、海外投資の多元化を図るため、日本国債の保有を増加したと考えられ、下半期の世界経済景気の先行きが不透明な状況の中、投資の安全性と安定性の確保が主要任務となっている、と解説する。
また、日本国債の97%は日本人投資家が保有していることから、デフォルト(債務不履行)リスクで主権債務危機に陥る可能性は一部のEU圏内の国よりはるかに少ないだろう、と分析している。