【大紀元日本7月19日】最新の米研究によると、人は睡眠中に、日常生活の中でぶつかった問題を解決する方法を見つけられるという。
ウェブサイト「生活科学(Live Science)」に先月掲載された報道によると、米ハーバード大学の心理学者バレット氏(Deirdre Barrett)は、彼の学生たちに宿題の中から比較的に簡単な問題を選択させ、その問題を集中して考えながら毎晩眠りにつくよう指示した。その結果、約半数の人は一週間後、問題についての夢を見るようになり、およそ四分の一は夢の中で解答も得たという。
バレット氏はまた、科学や歴史的な文献から、夢の中で問題を解決した実例について調査を行った。これらの夢で解決した「問題」には、数学から芸術まで様々なテーマがあったが、それらは往々にして発明家が新しいアイデアをイメージ化するようなものが多かったという。
バレット氏は、レム睡眠中(身体は眠っているが脳は活動している状態)の大脳は思考状態にあり、いかなる問題も処理できる潜在能力があると主張する。バレット氏の同論文は今年5月、米ボストンで開催された心理科学協会(Association for Psychological Science)の会議で発表された。
一方、カリフォルニア大学サンディエゴ校(Department of Psychology, University of California at San Diego)の心理学教授サラ・メドニック氏(Sara C. Mednickc)らも睡眠と問題解決についての研究を行った。それによると、科学者らは朝、77人の被験者に言葉ゲームなどの問題を与え、午後までにその問題をよく考えて解答するようにと指示する。そして、被験者は寝ずに休息するグループと、科学者らにモニターされながら仮眠をとるグループとに分かれた。
その結果、静かな休息やノンレム睡眠だけの被験者と比べ、レム睡眠に入った被験者は問題解決能力が朝より40パーセント増加したという。
レム睡眠とは、脳が覚醒に近い状態で活動している睡眠のこと。まず眠りにつくとノンレム睡眠が現れ、約1時間から2時間ほどでレム睡眠に移る。以後、ノンレム睡眠とレム睡眠は交代して現れ、レム睡眠はほぼ90分おきに20-30分続き、一晩の睡眠では4-5回のレム睡眠が現れる。レム睡眠時は、脳が深い休息状態に入っていないため、この時点で夢を見ることが多いと言われている。解くべき問題に集中してレム睡眠に入ると、既成概念にとらわれずに、問題に対してより創造的な解決方法が得られる傾向があるという。
メドニック教授らの同研究論文は、2009年6月の米国科学アカデミー紀要(Proceedings of National Academy of Sciences)電子版で発表された。
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