もしも、ルームメイトまたは一緒のベッドで寝ているパートナーが大きないびきをかいていたら、その音で眠れなくなりますが、いびきをかく本人は何も気にせずぐっすり眠っているかもしれません。では、大きないびきをかく人が、自分のいびきで目を覚ますことはないのでしょうか?
ウェブサイト「Live Science」は、自分のいびきが聞こえないのか、それとも無視しているのかについて、専門家の解説を掲載しました。
神経科医でアメリカミシガン大学の睡眠医学、神経学教授、アニタ・シェルギカー氏は、自分のいびきで起きる人もいれば、頻繁に大きないびきをかいているにも関わらず、本人がそれを自覚していないケースがあると指摘しています。
シェルギカー氏は、人によって「覚醒閾値」が異なるため、騒音による影響も人それぞれだと説明しています。覚醒閾値とは、睡眠中にどれぐらいの刺激を受けたら目が覚めるのか、ということです。
特定の騒音が他の騒音よりも目覚めやすい原因となることがありますが、これは個人差があります。
同じ人でも、自分のいびきで目を覚ます頻度は毎晩異なります。
シェルジカ教授は、「睡眠に与える騒音の影響は、音の大きさ、騒音の種類、個人の覚醒閾値、その他の睡眠に影響を及ぼす環境要因など、様々な要素によって変わる」と述べています。
静かな話し声や穏やかな音楽でさえ、一部の人にとっては睡眠の妨げになります。
また、レム睡眠期(REM)にいびきをかくのも重要な要因です。レム睡眠期は、眼球が活発に動き、夢を見やすい時です。
シェルジカ氏によると、多くの人はレム睡眠期に大きないびきをかく傾向があり、そのためにこの時間帯に自分のいびきを聞いてしまう人がいるかもしれません。
なぜ人は寝ているときにいびきをかくのか?
アメリカの著名な医療施設、クリーブランドクリニックでは、いびきは睡眠を邪魔する一般的な問題であると述べています。何かの原因で息の通り道(気道)が塞がれると、狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸したときに粘膜が振動して音が生じます。
同クリニックによれば、多くの人にとっていびきはよくあることで、普通のことです。実際、ほとんどの人が生涯にわたって時折いびきをかきますし、赤ちゃんでさえも例外ではありません。
ただし、耳障りないびきは、睡眠時無呼吸症候群の可能性を示唆しています。これは睡眠中に呼吸が一時的に止まる病状です。いびきが疲れやイライラといった他の症状と一緒に現れる場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。
軽度または、たまに起こるいびきは通常心配する必要ありません。しかし、長期にわたるいびきは、脳卒中や心臓病など特定の病気にかかるリスクを高めます。
いびきを引き起こす呼吸道の閉塞に影響を与える要因には、年齢、飲酒や薬の使用、遺伝、体重や健康状態などがあります。例えば、年を取るにつれていびきをかくことが多くなるのは、筋肉の緊張が低下し、それによって呼吸道が狭まるためです。また、アルコールを飲んだり、鎮静剤など特定の薬を服用することもいびきを誘発します。
いびき予防法
生活習慣を変えることは、いびきを止めたり減らしたりするのに役立つかもしれません。いくつかの方法を挙げます:
●就寝前にアルコールを含む飲み物を避ける、または鎮静剤を服用しないこと。
●定期的に運動をして健康的な体重を維持すること。
●呼吸が楽になるように、寝るときに頭を高くする。
●仰向けではなく、横向きに寝る。
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