【バンクーバー通信】性行為・飲酒・薬物 ・・・留学生を取り巻く危険な行為

【大紀元日本8月9日】世界一住みやすい都市として知られるバンクーバー。緑に恵まれた環境と移民に寛容な多文化社会が、多くの観光客や留学生を惹きつけています。78年からこの地に住んでいる記者も、安全で自由なバンクーバーの雰囲気に魅了されました。しかし、一方でその影にはホームステイの留学生を取り巻く危険な要素も潜んでいます。

ブリティッシュコロンビア大学(UBC)は、14歳~19歳のアジアからの留学生(主に日本、中国、韓国)約3万5百人を対象に、不健康な習慣に関する調査を行いました。その結果、留学生は喫煙、ドラッグ、飲酒、性行為などのリスクに曝されやすいことが分かりました。特に、ホームステイをする女学生たちは性行為に関与しやすく、経験者の23%は性的虐待の被害に遭ったことがあるそうです。その割合は、地元のアジア系高校生の2倍におよびます。

記者も70年代後半に、バンクーバーでホームステイをした経験がありますが、この調査結果は残念ながら不思議ではありません。

当時、知り合った大学生に誘われて行ったパーティーで、マリファナを吸ってる学生がいました。ロックコンサートや公園の芝生でひなたぼっこしながらもよく見かける光景です。でも何といっても忘れられない事件は、友人のホームステイ先で開かれたパーティーで、コカインを吸っているのを見たときのことです。この家は母子家庭で、子供は当時7歳くらいの可愛い男の子でした。ごく普通の家庭環境という印象があったので、この事件にはかなりショックを受けたのを覚えています。

ホームステイの斡旋会社の中には、「高校生の語学留学は早すぎる」という声もあります。しかし、私はそうは思いません。こういう制度があるのだから、大いに活用してほしいと思います。しかし、留学生たちは精神的にもっと成熟する必要があります。UBCの報告書は、アジア系の留学生たちがほとんど課外活動に参加しないと指摘しています。部屋に閉じこもる、ホストファミリーと口もきかない、買い物にふける・・・といった留学生も多いそうです。ホームステイ制度を「安上がりな食事付きホテル」と勘違いしている学生もいるとか。親から解放された気分を満喫したいのも分かりますが、「自由には責任が伴う」ということを自覚しなければいけません。

日本人が海外にでると「旅の恥は掻き捨て」的行動をとると言われますが、規則を守るということは、危険から身を守るということ。若い留学生たちは、海外生活でしか味わえない貴重な体験を吸収しつつ、誘惑に負けないで勉学に励んでほしいと思います。親もまた、ホストファミリーや学校との連絡を密に取り、子供たちが危険な目に遭わないよう留意することを願っています。

(バンクーバー=羽後かほる)