超スピードの青い星 銀河系から遠ざかる=NASA観測

【大紀元日本8月12日】米航空宇宙局(NASA)は先月、青色巨星HE0437-5439が時速250万キロメートルのスピードで銀河系から遠ざかっていることをハッブル宇宙望遠鏡で観測したと発表した。この星の脱出速度だと、地球から月までの距離を9分で通過してしまう。まさに超高速度星だ。NASAの軌道観測によると、この星は銀河系から弾き飛ばされた可能性がある。このような超高速度星は、これまでに16個しか発見されていない。

ハッブル望遠鏡での観測に関わるNASA研究者ウォーレン・ブラウン氏は、「銀河系にある千億個の星の中で、(銀河系から)脱出する星は稀だ。それぞれの銀河系には千億もの星があるが、その中にひとつだけ超高速星が潜んでいる」と話す。

HE0437-5439の起源については、科学者らの間で2年もの議論が続いたが、最近では1つの仮説にたどり着いた。

およそ一億年前、銀河系の中心にあったブラックホールの近くを3連星(3つの星が互いに重力的に束縛されて軌道している)が通過するとき、一つがブラックホールに引き込まれ、残り二つが銀河系の外へ飛び出した。その後、この二つは移動している途中で一つに統合され、高速で銀河系から離れる青色巨星が生み出されたという。

ほとんどの青色巨星の寿命は2000万年。しかし、この脱出速度に従うと、この星は約1億年前に生まれたことになってしまい、科学者たちは頭を悩ませている。

(記者・Reid Schram、翻訳編集・郭丹丹)