心から病を診る『医山夜話』連載にあたって

2004年に台湾の益群書店より『医山夜話』が出版された。これは、漢方医が患者と共にどのようにして、多くの不思議な病を治したかを綴った実話集である。

病気と聞くと、人々はよく病院での診断、治療、薬などを思い浮かべるが、人の心、道徳、正念、善行などが病と深く関係していると考える人は多くないだろう。

 しかし、漢方医学の古典『黄帝内経』では、「心」が体の健康と病気治療に重要な役割を果たしており、病気を治癒するにはまずは心を治療すべきだと述べられている。

 唐の偉大な医学者・孫思邈(そんしばく)は『備急千金要方・大医精誠』で、将来医者になりたい若者に、患者の病を診る時、「優しい気持ちで、利益を求めず、憐憫の心をもって、患者を必ず苦しみから救うと誓う」という心を持たねばならないと説いた。もし本当にそうできれば、医者自身も、治療するたびに自らの心が浄化されることだろう。

 今日では、医者も患者も、自らの「心」が病気治療に重要な役割を果たしていると考える者は多くない。しかし、この本には、「心」を治療することによって起きた奇跡が数多く記録されている。

 読者の皆さまが、本連載を通じて、病に対してまったく新たな認識をもたれることを期待する。

 本書の出版後、ほぼ同内容のものが正見ネットに掲載された。本連載は、それに準じることとする。
 

(日本語大紀元ウェブ編集部)