バイリンガル脳 認知症を遅らせる=カナダ研究

【大紀元日本11月3日】複数の言語を生涯にわたって話すことは、老いてから報われるかもしれない。最近の研究によれば、バイリンガル(二言語を話す人)は老年認知症の症状を平均4年遅らせることができるという。

トロント・スター(The Toronto Star)電子版によると、カナダのヨーク大学(York University)バイリンガル能力研究者、エレン・ビアリストク(Ellen Bialystok)博士とその研究チームは、認知症早期の約100名のバイリンガルの患者と、100名の単一言語(モノリンガル)の患者に対する調査を行った。

その結果、バイリンガルのグループはモノリンガルの患者に比べて、認知症の発症が4年ほど遅かったという。

研究チームのクレイク博士は、「その原因はまだはっきりしないが、多分バイリンガルの持っている特殊な能力と関連するかもしれない」と話す。同研究によると、バイリンガルの人は、子供であれ大人であれ、関連性のない余計な情報を抑制し、関連する情報に集中する能力に長けているという。

一般的に、「認知的予備力」という、脳がストレスや損傷を受けたときに働く力とバイリンガルが関係すると推測されている。バイリンガルによって認知的予備力が増強し、より脳の働きが活性化する可能性も指摘されている。

しかし、クレイク博士は、「晩年に他言語を学ぶことが老年認知症の発生を防ぐことに役立つとは言いきれない」とし、毎日15~20分程度の脳のエクササイズが、生涯バイリンガルを使うのと同じ効果があるかどうかは、確定できないと述べた。

(翻訳編集・李YS)