【大紀元日本11月5日】まるで毛皮を着た大きな人が、愛する人の墓にもたれかかっているように見えたのに、近づいてみるとそれは人ではなくクマだった― 何ともおぞましい事件が、北極圏近くのロシア連邦コミ共和国の北部で起きた。食糧不足に陥ったクマが、墓地を掘り起こして人間の死体を食べていたという。墓参りに訪れたロシア人ふたりが、目撃した。先月26日付け英ガーディアン電子版が伝えた。
ロシア当局によると、猛暑の夏が過ぎた頃からクマたちが墓地で死体を掘り起して食べ始めた。クマたちの伝統的な食べ物であるキノコやベリー、カエルなどが姿を消したという。クマたちは食べ物を漁って町中を歩き回り、コミ共和国の首都スィクティフカルではクマに襲われたとしてケガ人もでている。
「彼らは今、本当に空腹だ。クマの多くは生き残れないだろう」と、コミ狩猟漁業協会副会長のサイモン・ラスミスロフ氏(Simion Razmislov)は話す。
「クマはゴミあさりをする習性がある生き物だということを忘れてはならない。米国やカナダの国立公園ではテントに食べ物を残すことを禁じられている」と国際動物愛護基金ロシア支部のマーシャ・ヴォロンツォーバ氏(MashaVorontsova)は話す。墓は簡単に食物が手に入る冷蔵庫みたいな所なので、墓地が襲われたのだろうと同氏は語った。クマを追い払うには、花火のような爆発音でクマたちを怖がらせるか、銃で撃つしか方法がない。
ロシアのクマの個体数は12万~14万匹の間で、比較的安定している。クマにとっての最大の脅威は飢餓ではなく、VIPスポーツマンや金持ちガンマニアたちによる狩猟で、オスが狙われやすい。中国からの密猟者たちも、ロシアとの国境沿いで数多くのクロクマを狩り、市場でクマの掌(て)などを売っている。
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