【大紀元日本1月7日】スイセンは地中海沿岸が原産で、中国を経由して8世紀ごろ日本に入ったヒガンバナ科の多年草です。日本全土、特に暖地では野生化しています。ニホンズイセン、ラッパズイセンなど観賞用として多くの品種が栽培されています。年末から4月ごろまで大形から小形、一重から八重、また白や黄色など色や形の異なる可憐な花が咲き続きます。芳香があり、白い花を咲かせる日本水仙は生け花や寄せ植えに利用して、お正月を優雅に飾ります。しかし、有毒で扱いは慎重にする必要があります。中毒症状は嘔吐と接触性皮膚炎です。
【学名】Narcissus tazetta
【別名】雪中花(せっちゅうか)
【成分】ガランタミン、アルカロイド(リコリンなど有毒)グルコマンナン、芳香性の精油(オイゲノール、ベンズアルデヒド、桂アルデヒド)など
【薬用効果】スイセンに含まれる数種のアルカロイドは抗がん作用があり、動物実験ではマウスのエーリッヒ腹水がん、肺がんに対する抑制効果が認められたため、今後の研究が待たれます。また、鱗茎はすりおろし、布で絞った汁に小麦粉を加えてクリーム状にして患部に塗布すると、はれもの、乳腺炎や肩こりに効果があります。成分の一つ、ガランタミンは小児麻痺の後遺症治療に使用されます。
【食用】有毒です。ニラと同じ形をしている葉を間違えて食べた中毒事件も報告されているので注意が必要です。しかし、救荒植物として、鱗茎からデンプンを取り出して使用されたこともありました。
【余談】人々から好まれ身近な花のスイセンは、古代ギリシャの壁画、日本では平安時代の絵画に題材としてすでにとりあげられ、文学にも多く現れています。群生地としては越前海岸(福井県)、南房総(千葉県)、淡路島(兵庫県)などの水仙郷がとくに有名です。
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