<赤龍解体記>(54)重慶事件で、重慶警察と四川省警察との衝突実情

【大紀元日本2月27日】香港誌『前哨』は最近、重慶市元副市長・王立軍が中紀委から調査を受けた経緯と、政治亡命で米領事館に入った王立軍を連れ戻すことをめぐり重慶警察が四川省警察と衝突した詳細を発表した。

『前哨』によると、王立軍が中紀委から調査を受けた原因について、たとえば元の勤務地遼寧省における腐敗問題などさまざまな説があったが、実は、中紀委は彼が重慶にあって「マフィア組織取り締まり運動」中における拷問など司法乱用や汚職などについての調査であった。

中紀委の関係官員は1月に密かに重慶に侵入し、薄煕来に内緒で密かに王立軍と面談した。王立軍は中紀委が把握している彼についての情報を聞いて愕然とし、どうしようもなかった。

一方、中紀委の官員は、もし彼が中紀委の調査に積極的に協力してくれれば、彼の責任を追及しないと保証した。協力してもらうのは薄煕来と談話したすべての記録と関係会議の記録を出すことである。王立軍は即時応じた。

しかし、中紀委にいる薄煕来の耳に王立軍が背反した情報を通告されたため、薄煕来は中紀委が正式に調査をしていないうちに王を現職から降ろした。

そして、薄煕来は王立軍の運転手などを含む側近を10数人逮捕し、王立軍に不利な証拠を獲ようとした。逮捕された10数人の中、2人が拷問により死に、1人が自殺したという。

事件前、海外のメディアは関係した情報を知り、直接、王立軍に電話し、彼の安否を尋ねたところ、王は「わたしは今なお自由だ」とし、運転手が逮捕されたかと尋ねたら、彼は「逮捕なんて、かってにすればよい」と答え、その事情を間接的に証明した。

『前哨』はまた、重慶事件で重慶の警察が米領事館を包囲し、重慶警察と四川省警察と衝突した詳細を披露した。

薄煕来は、王立軍が成都米領事館に逃げ込み、政治亡命を求めたことを知り、即時黄奇帆市長に軽装甲車を含む約70台の警察車両を出して、王立軍を重慶に連れ帰せと命令した。

黄奇帆は70台の警察車両を率い、途中にずっと警告灯をつけたまま四川省に入った。四川省道路警察が重慶の車両を止めようとしたが無視された。

中国公安部の規定によれば、各省(直轄市・自治区)の警察車両は管轄地域を超えて他の管轄地域に入って公務を執行してはならないし、警告灯をつけてもならない。しかし、重慶市長が率いる重慶の警察車両は、四川省の止めを全く無視し成都市内へ急いで向かっていった。

四川省警察当局は即時、この緊急事態を四川省書記・劉奇葆に報告し、それに対する対策の指示を願った。その時、劉奇葆はすでに王立軍が米領事館にいることを知り、警察当局にぜひとも重慶の警察車両を止め、米領事館に近づかせないようにと緊急指示した。それと同時に彼は中央に報告し、中央からの指示を願った。

北京当局は劉の報告を聞いて、「重慶は造反を起しているのか」として、指導部の方から直接に薄煕来と黄奇帆に電話し、即時に警察車両を重慶に引き返せと命令した。そして、四川省当局に国家安全部に協力し、必ず重慶の警察車両を米領事館から追い出すようにと命令した。

米領事館から遠くない場所で、成都市警察が路上で通行止めの障害物を設けていたので、重慶警察の車両はそれより前へ進むことができなくなった。そこで、重慶の警察と四川省の警察が口喧嘩をし、一時一触即発の状態にも至ったのである。(これまでの報道の中で、米領事館を包囲した情報もあった)

この時、黄奇帆はすでに中央からの命令を受けとり、その後また薄煕来から重慶に引き返そうという電話も入った。それで、黄奇帆は70台ほどの警察車両を率い重慶にしぶしぶと引き返した。

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