中国軍機関紙、政局の大きな変化を示唆 胡主席への忠誠誓う

【大紀元日本3月29日】胡錦濤・国家主席が核安全保障サミットのため韓国へ発った翌日の27日、中国軍の機関紙「解放軍報」は、「国情党情発生変化 部隊時刻聴党指揮(日本語訳:国と党の状況が変化するとき、軍部は随時党の指揮に従う)」というタイトルの文章を掲載した。政治評論家はこの記事について、留守中の胡主席が江沢民派閥をけん制する狙いがあり、外部に軍の主導権を握ったことをアピールするメッセージでもある、と指摘している。

同文章は、「社会、国家、党の状況が大きな変化を遂げている新しい情勢下で……、軍隊はいかなる時、いかなる状況下においても、党の最高指導部、中央軍事委員会および胡主席の指揮に堅く従う」と強調した。

北京在住のある民主活動家は匿名で以下の見解を寄せた。「解放軍報のこの文章のタイトルはまず相当衝撃的だ。最高指導部の権力闘争が非常に緊迫していることを意味している。この文章は、軍の態度を強調している」

大紀元のコラムニスト・夏小強氏は問題の裏を解析した。

「この文章の『社会、国家、党の情勢が大きな変化を遂げている』との文言から読み取れるのは、司法、検察、公安、情報を主管し、絶大な権力を握る中央政法委のトップである周永康や、今秋の政権交代で周永康の後継者とされていた薄煕来を中心メンバーとする江沢民派閥が、中央政法委を陣地に、現職の胡・温政権に致命的な脅威をもたらしている、ということだ。また、薄煕来と周永康が連携して(次期政権の後継者とされている)習近平を転覆させようとしていたとも囁かれている。いま、周永康は胡・温政権に押さえられているようだが、長年中央政法委で築いてきた利益集団と勢力は、いまの情勢下において、リスクを冒してでも胡・温政権に反撃する可能性はある。だからこそ、軍部はこのよう内容の文章を公開したのだ」

ここで夏小強氏が言及した薄・周両氏の転覆計画は、米情報サイトワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)が2月15日に掲載した「House Probes Botched Defection in China」という記事が情報源だという。

オーストラリア在住の学者・張小剛氏は、「解放軍報のこの文章で中国軍部は、胡・温政権の対立派閥に武力で圧制する意思をはっきりと表明した。最高指導部の権力闘争において、胡・温政権が大筋で情勢を支配できたことを現している」と述べた。

同氏はさらに、「中共の独裁体制の運営は非常に不透明であるため、外部は推測や分析などで情勢を読み取るしかない。劉少奇・元国家主席や、林彪・元副主席などの歴史上の事例からみると、これから権力闘争の情勢が急変する可能性も十分にある」と分析した。

一方、最近では、軍の元トップ、江沢民・前中央軍事委員会主席が在任中に抜擢した軍の三大重役、江沢民氏の軍部支配の中枢とされる軍事委員会副主席の郭伯雄氏と徐才厚氏、総政治部の李継耐・主任は相次ぎ、現職の軍のトップ、胡錦濤主席への忠誠を誓い、「党最高指導部、中央軍事委員会、胡主席」の命令を無条件に服従すると繰り返し強調していた。

こういった動きから、胡錦濤氏は前任の江沢民氏を真似して、今秋の政権交代で総書記と国家主席の座から引退しても、引き続き軍の指導権を握るであろうと、政治専門家は分析している。

 (記者・古清児、駱亜、翻訳編集・叶子)

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