窃盗犯の「虎の巻」【1分で読める故事成語】

【大紀元日本4月18日】

 「逃亡者」が明かした警察の死角…窃盗犯の“虎の巻”の凄い中身(MSN産経ニュース、2010.7.17)

 中高生のころ、期末テストの前にはよく、教科書ガイド、通称「虎の巻」にお世話になったものだ。教科書の内容がわかりやすく解説されており、練習問題の答えまで付いている。

 一方、上のニュースの「虎の巻」は、窃盗を繰り返し警視庁に逮捕された男が自分の手口を赤裸々に語った内容を、警察が資料にしたもので、「犯行前の準備」から「事件発覚後の警察の動き」まで計36カ条からなり、警察官が窃盗犯の心理を読むために使われているという。

 「虎の巻」とは、中国古代の兵法書『六韜(りくとう)』の一つ「虎韜の巻(ことうのまき)」が略されてできた言葉だと言われる。「韜」とは剣や弓などを入れる袋のことで、ここでは広く兵法の秘策を意味する。『六韜』は、「文韜」「武韜」「龍韜」「虎韜」「豹韜」「犬韜」の6巻60編から成り、このうち、特に「虎韜の巻」には、陣を張る法や包囲を脱する法など、兵法の極意が記されている。

 そこから、「虎の巻」は秘伝書の意味で使われるようになり、さらには、教科書の解説本なども意味するようになった。『ビジネスマナー虎の巻』や『原付免許本試験直前合格虎の巻』などの用法がそうである。

 

(瀬戸)