諸葛孔明の手紙

【大紀元日本4月27日】頭脳明晰、冷静沈着な戦略家として蜀の皇帝を支えた諸葛孔明。彼が息子と甥に送った手紙から、彼の生き様が見えてくる。

息子への手紙:

徳と才能を備える者の行いは、心静かで安らか、精神が集中し、エネルギーのバランスを保つことから来る。人は心と身体を修養し、自分の行いに気をつけ、精進しなければならない。もし人が世俗の名利に淡白でなければ、己のが見えなくなるだろう。心身が穏やかでなければ、大きな理想を成し遂げることはできない。学習したなら必ずそれを吸収し、能力を高めるには刻苦勉励しなければならない。努力を怠れば、才能と智慧が伸びることはない。もし己の志が明確でなければ、勉学をしても成就することができないだろう。享楽を追及し、怠慢で散漫であれば、精神を奮い立たせることはできない。浮ついて短気な者は、己の気質をコントロールすることができない。彼は年を重ね、志も退化していき、結局、何も成し遂げることができない。最後には社会にとって何の価値もない人間となる。その頃にはやるべき事もなく、自分の小さな世界に閉じこもって、自分が出来なかったことを嘆くのみだ。

 甥への手紙:

人は、高尚で壮大な志を持たなければならない。先賢を敬い、情欲を絶ち、己の前進を阻害するものを捨てなければならない。この方法でのみ志を遂げることができ、心を震撼させることができる。人はどのような状況にも柔軟に適応し、表面的なことは気にせず、猜疑心を絶ち、欲深くなってはいけない。このようであれば、挫折を味わったとしても己の気質と志を損なうことはない。それで志を遂げるかどうかを気にする必要はない。もし人の志が堅く、決然としていなければ、彼の精神は誠実ではなく、成功せず、一時の流行に溺れ、頭がはっきりとせず、色情に束縛される。そのような人物は永遠に凡人、あるいはそれ以下である。

 (翻訳編集・郭丹丹)