<真善忍美術展作品鑑賞>法輪が舞う

【大紀元日本7月4日】マンハッタンの街頭。ポストモダンの看板とネオンがまるで人々を別世界に誘っているかのようである。巨大な電光掲示板に映し出される冷ややかな表情のモデルと世界の末日を思わせるニュースに、人々は自分が今どこにいるのかと疑いを持つ。歪んでかけられた看板の下を行く人は冷たい表情にだらしない身なりをしており、そこの空間はまるで押しつぶされ、歪んでしまったかのようである。

この一切が雑然と乱れた空間の中、全身が黄金色に輝く若い女性が一人静かに座禅している。ブロンドの髪に淡い黄色のTシャツ、そして少し赤みを帯びた黄金色のスカート。彼女の髪の毛とTシャツからは燦然と光が放たれ、周りの喧騒から彼女を隔離しているかのようである。また、ピンと背筋を伸ばして座禅する姿勢も、周りの雑然とした一切とは大きな隔たりがある。彼女とその周囲は一切が清浄で崇高なのに対し、そのあたり一帯は一切が混沌としている。まるで、彼女は現代世界とは隔絶された生命であり、その体からはある種のエネルギーと強い意念が放たれ、周囲の風景を凌駕しているかのようである。

静座から生まれる変化

04年、ニューヨークの街頭に世界各地から法輪大法修煉者が集まった。彼らはチラシを配り、酷刑の実演を行って、中国における法輪大法に対する迫害の真相を人々に訴えた。彼らは喧騒の街頭に静座し、自らの考えを清め、自らの不足を内に探しつつ、強大な念の力を発して、空間に漂う一切の悪の要素を一掃するのであった。

この絵の女性も修煉者の一人である。彼女は肉眼で見えるこの現実の世界に静かにじっと座り続けているが、その寂然の中で何かが変わりつつある。よく見ると、空中には大小さまざまな法輪が舞っている。それはまるで、女性の体から放たれた光と調和し一体となって、喧騒としたマンハッタンの街を包み込んで静かに変えているかのようである。目に見えない別の空間で、法輪が神聖で強大なエネルギーを放ち、雑然とした埃の舞う浮世を一層一層洗い清めているかのようである。

カナダの画家、キャサリーン・ギリスが描いたこの絵は、彼女の信念と多くの傍証によって知り得た可視世界を超えた真実である。世界各国にいる法輪大法修煉者には、強いエネルギーの下で確かに法輪が空中を舞っているのが見える。この上なく美しくすばらしい情景である。

真実を直視すべき

世界で最もにぎやかな大都会に、全身から光を放ち静座する修煉者が現れ、その一帯を法輪が舞う。人々は問うに違いない。これはいつの時代なのか。私たちが知り得る真実とはいったい何なのか。

人類はすでに2012年に突入した。これはマヤ暦が予言した宇宙が更新される年である。尋常ならぬさまざまな事件、自然災害、火山の爆発の中に、かすかな手がかりを見出し得る。2012年の最後を待たずして、人類はすでに一歩一歩新しい宇宙の世紀への敷居をまたぎ始めた。

黄金色の光を放ちつつ街頭に静かに座る修煉者と、空中を舞う無数の美しい法輪がなければ、私たちはいかにしてますます変質し危険になりつつある世界と向かいあうのか。ある種のエネルギーが混沌とした街と変異した人々の顔をきれいに洗い流してくれなければ、私たちはいかにして生き続けることができるのか。

この押しつぶされた空間の中で、何かが静かに生まれつつある。私たちは、乱れた考えと現代化された観念をきれいに洗い流し、自らが生活する時代に差し迫っている真実を見極めようと努めなければならない。

(文・夏禱、翻訳編集・瀬戸)