アムネスティ、法輪功学習者の解放呼びかける 国連や欧州委員会も受理

アムネスティ・インターナショナルのニュージーランド事務局長グラント・ベイルドン氏(新唐人スクリーンショット)

【大紀元日本3月27日】母親を助けて―。中国を逃れた娘2人の必死の訴えに世界中の人権機関は動いている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのニュージーランド支部は22日までに、中国で不当に拘束されている法輪功学習者・陳真萍さんの解放に向けたアクションを中国政府に対して起こすようニュージーランド政府に訴えた。陳さんの迫害に関する案件はすでに国連、欧州人権委員会、赤十字社で受理され、2人の娘の移民先であるフィンランドなどでも現地メディアが大きく報じ、関心を集めている。

アムネスティ・インターナショナルのニュージーランド事務局長グラント・ベイルドン氏は新唐人テレビの取材に対して「私たちの(法輪功迫害に関する)懸念を示した手紙をニュージーランド外務省は確かに受け取った。政府がどんな動きをするか知るのは難しいが、私たちは訴えを続けていく」と答えた。

法輪功学習者の陳さんは2008年、共産党が禁じる法輪功の信条を守ったために逮捕、監禁された。同年に中国全土で一斉に行われた共産党による北京オリンピック前の大規模な「社会秩序を乱す不分子」狩りの被害に遭った。弁護士の立てられない不当に開かれた裁判で「法律実施破壊罪」という罪で禁固8年間が下った。

法輪功は1992年に広まり始めた気功修煉法。ピーク時には中国全土で学習者1億人に達した。しかし当時の江沢民政権が共産党員を上回る学習者数を「脅威」と見なし、1999年に弾圧政策を始めた。迫害は今なお続いており、名前がわかっているだけでも3600人以上が刑務所での虐待や拷問で死亡した。また、米国の中国問題専門家でジャーナリストのイーサン・ガットマン氏は「迫害で数万人が死亡した」とも報じている。

アムネスティのフィンランド支部で、母親の陳さんの解放を訴える2人の娘(Amnesty International)

陳さんの2人の娘は、迫害から逃れるためにフィンランドへ移住した。2人は2年半以上母親と連絡が取れていない。「刑務所で惨い拷問を受けているのではないか、面会を拒否するのは暴力を隠すためではないか」と案じ続け、心労が絶えない。

次女の金昭桓さんは現地メディアに対して、母親が法輪功学習者であるというだけで尾行、盗聴、家財没収、脅迫、乱暴に連行されるなどの迫害を受けたことを明かした。法輪功の迫害状況を報じる独立メディア明慧ネットによると、「昭桓さんの幼少時代に残っているのは全て苦痛の記憶。孤独と恐怖の中で成長して来たため、よく玄関のドアを閉めてこっそりとむせび泣き、自分の舌を噛んで我慢していた。そのため、今でも昭桓さんの舌は傷だらけになっている」という。

2人の姉妹は、母親が解放されるようフィンランドで活動を続けており、アムネスティ・インターナショナルも姉妹を支えている。アムネスティのベイルドン局長は「問題は訴え続ければ、陳さんの解放あるいは状況改善に繋がると確信している。私たちは陳さんとの面会、医療関係者や弁護士、家族との面会を許可するよう要求する」「中国には陳さんと同じ境遇にある多くの人々がいる。中国当局が人権を尊重し、信条のある人に対する拷問をやめるよう訴える」と述べた。

(翻訳編集・ 佐渡 道世)
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