美しく清らかに ミッシェル・レンの舞踊

【大紀元日本4月15日】神韻芸術団が本格的に世界ツアー公演を開始して、今年で7年目になる。

今年の神韻会場も、多くの観客で賑わっている。本文の冒頭から奇抜な言い方をするが、神韻公演に訪れる観客は、全て「そこへ来るべき機縁があって来場する」のである。

神韻が通常の劇場公演と根本的に異なる点は、神韻を目にしたその日から、一人ひとりの観客の未来が変わることにある。変わるとは、もちろんその人の生涯が良い方向へ向かうという意味であって、それ以外の変化ではない。

そのような変化をもたらす機縁は、その刹那だけ存在するのではなく、一人の人間がもつ過去から未来への連続のなかに、重要な意味づけをされた上で配置される。神韻に足を運ぶことは、偶然のようでいて、実は全て必然なのだ。

そう配置したのは誰かといえば天上の神というしかないのであるが、そのことを述べるのはまた別の機会にしたい。いずれにせよ、初めから意味づけされた機縁であるから、どの年の神韻公演を見ても、観客が深い感銘を受けることは言うまでもない。

ただ、それを毎年見ている熱心な神韻ファンには、もう一つの楽しみがある。前回には若手のダンサーだった団員が、年々たくましく、また美しくなり、踊りの技量や表現力も格段に進歩するという成長の軌跡が見られることだ。

神韻公演として世界ツアーが始まる前には、北米の一部地域などの限定的な範囲で公演が行われていた。当時はまだ神韻とは呼ばれていなかったが、その黎明期から中心的に活躍していたダンサーは今、自身もステージに立ちながら、さらに指導者として若いダンサーの育成に当たり、新しい演目の創作や振り付けを担当する重職についている。

その中でも、北米やアジアで特に知名度の高い一人として、ミッシェル・レンこと任鳳舞(レン・フォンウー)の名前を挙げないわけにはいかないだろう。

中国出身の任鳳舞は、6歳から新体操の訓練を受け、中国国内の新体操選手権では4位の実力をもつ。その後、中国古典舞踊の道へ進んだ彼女は、07年、新唐人テレビ主催の全世界中国古典舞踊コンテストの青年女子部門で優勝。以来、神韻芸術団のプリンシパル・ダンサーとして神韻世界ツアーの数多くの舞台に立ち、主役を務めてきた。

任鳳舞の舞踊を一度でも目にしたことのある観客は、おそらくその感動を生涯忘れないであろう。

透き通るような美しさと清らかさ、表現する情感の豊かさ、華麗な身のこなし。その名の通り、鳳凰が舞うような彼女の舞踊のすばらしさは、例えば、米国の芸術界における「神韻のミッシェル・レンは世界最高のリード・ダンサーだ」という定着した評価が証明している。

神韻の舞踊が世界各地で高い評価を受け、大歓迎されていることについて、任鳳舞自身は、かつて新唐人テレビの対談番組に出演した際、このように語っている。以下、彼女の話の概略のみを記する。

「高い評価はもちろん嬉しいのですが、一方、こんな気持ちもあります。舞踊の演目の裏方には、それを支える多くのスタッフの存在があります。それぞれの持ち場で、困難を乗り越える努力がなされているからこそ、私たちはすばらしい舞踊ができるのです」

「長期にわたるツアー公演では、百数十回ものステージを務めなければなりません。その間には、肉体的にも精神的にも疲れますし、さまざまな問題も生じます。しかし私たちは、いつでもお客様に最高のステージを見ていただきたいと考えています。お客様は皆、機縁があって来場されるからです。だからこそ私たちは、常に自身を最良の状態に保つよう努めています」

その方法として任鳳舞は、苦錬(厳しい練習)をツアー中も毎日重ねることと、スタッフ全員が励ましあって困難を乗り越えることを挙げている。

今年の神韻アジアツアーは、3団ある神韻芸術団のうちの神韻巡回芸術団が行っている。 

同団の副団長を務めるのは任鳳舞。

ミッシェル・レンとその教え子たちが、まもなく日本に来る。

新緑の香りをはこぶ初夏の風のように。

(牧)