四川富豪に銃所持の容疑 周永康の政変を公表するための伏線か

【大紀元日本4月8日】四川省有数の実業家で殺人や銃密輸、強要など15の容疑で起訴された漢龍集団の元会長・劉漢被告は、同省政府の諮問機関である政治協商会議の代表でありながら、「黒社会(闇組織)のボス」でもある。これまでの幹部失脚はほぼ全員、汚職などの金銭的な不正に留まっていたが、銃の不法所持や闇組織の運営などを公に発表したのは異例な出来事である。

人民公安大学の武伯教授は吉林省の「新文化報」の取材で、中国では現在、黒社会の構成員が100万人を超えると述べた。同教授によると、近年の黒社会は企業の管理手法を取り入れ、構成員への束縛を強め、そして政界に進出し、官商癒着で不正に利益を得て勢力が拡大しているという。さらに、黒社会のボスのうち、約4割は不動産業界、3割は鉱業を手がけ、2割は政治家に転身しているという。

劉漢はまさにその典型例。同被告をトップとする四川漢龍集団は金融、不動産、鉱業などの分野で成功を収め、総資産は400億元(約6680億円)に上ると言われている。

同被告は暴力団を組織して競争相手を相次ぎ殺害し、事業を拡大させてきた。少なくとも9人を死亡させた疑いがある。また、銃器を装備した地下武装組織で村民を威嚇し土地の強奪を繰り返していた。中国メディアは2月20日、劉漢の武器庫から手榴弾、小型軽機関銃、拳銃、銃弾などを押収したと報じた。

こうした手口で得た豊富な資金力で幹部への贈賄を繰り返し、政界でも強いバックアップを得られるようになった。そのため、長年悪事を働いても今回の摘発まで無傷のままだった。人民日報2月21日付の記事は、こうした後ろ盾が劉漢への捜査を妨げたとして、その「後ろ盾」も徹底的に叩くべきと明言した。 

実際、劉漢は最高指導部元メンバーの周永康の長男とつながりを持つとされ、周永康こそ劉の最大の後ろ盾といわれている。

劉漢の容疑に武器の不法所持を盛り込んだのは、これまで噂されていた周永康らが2012年3月19日に習近平主席の転覆を企み発動したクーデターを公表するための伏線との見方が出ている。また、劉漢の公判でも検察側は押収した武器の一部を証拠品として提示し、一味が「反社会勢力」というイメージを植え付ける狙いがあるとみられる。

(翻訳編集・高遠)

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