米機密文書が暴露 中共が偽情報で大統領選に干渉

2026/07/29 更新: 2026/07/29

米政府が新たに機密解除した文書から、中国共産党(中共)が2020年の米大統領選を前に、米国に対してネット上での影響力作戦や世論工作を行っていた実態が明らかになった。中共はSNSを通じて偽情報や扇動的な内容を拡散し、政治や人種をめぐる対立をあおることで、米国民の認識や選挙の行方に影響を与えようとしていたという。

2020年7月に作成されたCIAの覚書によると、中共は米大統領府をはじめ、行政機関、議会、司法機関の高官が使用する個人用メールアカウントを標的に、サイバー攻撃を仕掛けていた。

文書はまた、中共のスパイが米国の選挙関連データから、2億人を超える米国人の個人情報を盗み出したと指摘している。さらに、数万枚の米国運転免許証を偽造し、米大統領選での不正投票に利用しようとした疑いもあるという。これらの個人情報の一部は、公開情報を通じて収集されたものだったとされる。

専門家は、中共が偽情報の拡散、ネット上での浸透工作、外交・経済的な手段を組み合わせ、米国の選挙に干渉してきたと分析している。米情報当局は、中共が米国の反発を招くことを恐れ、発覚しにくい秘密裏の手法を用いていたとみている。

台湾淡江大学戦略研究所の沈明室准教授は、「こうした活動は幅広く行われている。米国の政界エリート、とりわけトランプ政権と対立する民主党関係者だけでなく、共和党内部の政策決定に関わる人物も対象だ。個人のメールアカウントを特定して侵入し、関連情報を盗み出し、情勢分析や政策判断の材料にしようとしているのだ」と語った。

時事評論家の李林一氏は、中共が米国や西側諸国の人々の選挙に対する見方を変えるため、海外のインフルエンサーも利用していると指摘した。「中共は一部の西側インフルエンサーを中国に招き、金銭的な利益や各種の便宜を与えている。その見返りとして中共に有利な発言をさせ、米国の制度を批判させているのだ」と述べた。

調査によると、中共は主要なSNSを利用し、米国の世論に影響を与えようとしていた。偽情報や扇動的なコンテンツを拡散し、人種や社会問題をめぐる対立を激化させ、社会の分断をあおっていたという。

情報機関の報告書は、中共が人種対立を米国の選挙に影響を与える重要な要素とみなし、反政府デモや暴力行為の計画に水面下で関与していたとも指摘している。

沈氏は、メールアカウントへの侵入だけでなく、重要インフラやSNSを通じた情報操作にも注意が必要だと述べた。「米国が中国製アプリTikTokの米国事業の売却を求めてきた背景には、同アプリ上のコンテンツが中共の影響や管理を受けている」と例を挙げて説明した。

「最も一般的な手法は、大量のスパムや偽情報を流すことだ。中共による選挙干渉で最も恐ろしいのは、個人情報を基に、標的人物の関係性や行動を把握するための情報網を構築していることだ。そのうえで、狙いを定めた政治エリートに対し、標的を絞った工作を行う。一方、SNSや従来のメディアを使って一般市民に働きかけている」

沈氏は、「3つの手段を組み合わせることで、米国内の分断をさらに拡大させることができる。分断が深まれば、米国は中国(中共)に対して一致した対応を取ることが難しくなる。その結果、中国(中共)に加わる圧力は大きく弱まることになる」と指摘した。

専門家は、中共の最終的な狙いは、米国内の対立をあおって社会を分断し、米国の国力を弱めることにあると指摘している。さらに、米国の政策や選挙に影響を与え、世界的な覇権の確立を目指しているとの見方を示した。

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