中国、大気汚染で低体重児や先天性疾患が増加=米研究

【大紀元日本4月21日】がんリスクの増加や精神疾患、作物汚染など様々な人体への悪影響が明らかになっている中国の大気汚染。最近の研究では、低体重児や先天性疾患の増加要因にもなっていることがわかった。このたび、環境と健康に詳しいライター、ブライアン・ビエンコウスキー(Brian Bienkowski)氏がEnvironmental Health Newsに論文を寄稿した。下記はその抄訳。

 

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 大気汚染物質を排出し続ける石炭火力発電所の排出ガス、増加の一途をたどる交通量。中国を汚染していく空気について、専門家たちは赤ちゃんへのダメージを懸念する。

 中国や北朝鮮の出生異常を研究している米国テキサス大学教授、リチャード・フィンネル氏は「中国の都市は赤ちゃんたちにとって大きな問題を抱えている」と警告する。教授によると、他の発展途上国の調査では石炭火力発電所や自動車の排出ガスが低体重児や神経系組織の欠損のリスクを高めることがわかっている。

 大気汚染による赤ちゃんへの悪影響は母体にいる胎児の時から始まる。フィンネル教授によると、中国の低体重児や早産の赤ちゃんを出産した母親の胎盤を調べた結果、通常の胎盤よりも抗体がはるかに少なかったという。

 エール大学エンジェル・フー氏の研究では、中国の大気中の微粒子状物質(PM2.5)は世界最悪レベルだという。同様の結果は世界保健機構(WHO)も導き出している。

 2014年2月に発表された発展途上国22カ国(中国、インド、ナイジェリア、ネパール、ペルーなど含む)の低体重児率に関する調査によると、中国の赤ちゃんには早産と大気汚染物質の関連が指摘されている。この研究は南カルフォルニア大学教授ナンシー・フレッシャー氏をリーダーとするもの。

 それによると、大気汚染の影響で中国の2500グラム未満の低体重児の出生率は全体の6%、早産は全体の6%だという。これらの赤ちゃんはしばしば発達上の障害が確認されている。

 中国保健当局は先天性疾患の赤ちゃんは1年で90万人に達し、過去20年間で70%増加したという。この結果には様々な要因が含まれているはずだが、都市部では約2倍に、農村地帯では約2割増との結果から、大気汚染の影響は否定できない。

 しかしながら、農村地帯では赤ちゃんへの大気汚染の害が軽減されているとは言い切れない。年間3億トンもの石炭が採掘される山西省では神経性障害をもつ赤ちゃんの出生率は1.3%に達し、その割合は米国の13倍になる。

 上海の研究チームによると、早産の要因にPM10、二酸化硫黄、酸化窒素が関連していることが明らかになっている。またPM2.5は体内に吸収されると胎盤に付着し、胎児が十分な酸素と栄養分を摂取できなくなる。

 市民の懸命な抗議の結果、当局は「汚染との戦い」を宣言し、小型石炭炉の閉鎖や古い自動車の使用禁止などの措置を取った。しかしながら大気汚染への改善は目に見えてこない。

 エール大学のフー氏は「大部分の中国大気汚染の観測データはヨーロッパやアメリカによるもので、汚染物質を吸い込む人々が暮らす環境で取ったデータが必要だ」と訴えた。

 

 

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 この記事のオリジナルは下記リンクより閲覧可能

  http://www.environmentalhealthnews.org/

 

 

 

(翻訳編集・佐渡 道世)

 

 

 

 

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