【一本のかんざし】

【大紀元日本8月26日】一本のかんざしで修煉機縁を失ってしまった修煉者の物語である。

山奥に庵を結び、一心に修行に励む修煉者がいた。彼は世の中の名誉、利益、色欲などすべての煩悩と欲望を捨て、ひとりで静かに暮らしていた。

ある日、美しい婦人が宿を借りたいと戸をたたいた。修煉者は草ぶきの家を婦人に譲り、自分は外の庭で一晩明かすことにした。彼はすでに色欲を捨てていたので下心はまったくなく、一晩無事に過ごした。翌朝、婦人は彼に礼を言ってその場を去った。

婦人が去った後、彼は婦人の寝床に一本のかんざしが置かれていることに気付いた。ふと彼は思った。「自分には金銭欲がないので不要だが、家族の誰かにあげたら喜んでもらえるだろう」。彼は、そのかんざしをそっと箪笥の中にしまった。

しかし、その瞬間、修煉者は自分が貪欲の戒めを犯したことに気づいた。彼は急いで婦人を追いかけたが、彼女の姿はすでに遥か遠くにあり、次の瞬間、婦人は観音菩薩に変わっていた。

この時、彼は、かんざしは菩薩が彼に与えた試練だったことを悟った。後悔しても遅く、彼は一度きりの成就の機会を失ってしまった。

一時の貪欲な心により、長年の修行を無駄にしてしまった修煉者の物語は、世の中の誘惑に屈せず、高潔な心を捨ててはいけないことを教えている。

 (翻訳編集・蘭因)
関連記事
腋臭症は病気ではありませんが、脇から異臭が発生することは非常に恥ずかしいです。そのため、台湾の専門医が大紀元の読者に対して予防と治療方法を提案しています。
人はどのくらい長生きできるでしょうか?また、どのくらいの年齢まで働くことができるでしょうか?今年7月で101歳の誕生日を迎えるアメリカの神経科医、ハワード・タッカー氏(Howard Tucker)は、1947年から医師として活動を始め、最近まで診療を続けていました。
ジェシカ・ハンナさんは亡くなりました。彼女は3年前に末期がんと診断されたにも関わらず、自分の赤ちゃんを中絶することを拒否し、病気と治療に立ち向かいながら、健康で幸せな息子を出産しました。
私たちの呼吸ほど、私たちの心と体に直接的かつ強力な影響を与えるものはありません。そして私たちの多くはそれを適切に行っていません。
定期的にナッツを摂取することは、心臓病の予防に役立ち、必要な栄養素を補充します。皆さんはどのナッツが良いか迷っていますか?栄養士の黄怡玲氏が、栄養価が最も高い5種類のナッツの選び方、食べ方、保存方法についてご紹介します。