傍聴も弁護も許されない裁判 中国人一家の境遇にカナダ政府が関心

【大紀元日本12月22日】「服役中の父は冤罪だ」と主張し、抗議活動を行なった河北省石家荘市の女子大生とそのいとこが逮捕された。12日、同市の裁判所で2人の審理が行われた。いとこの両親はカナダ国籍のため、在中カナダ大使館の職員が傍聴を申し出たが、拒否された。また弁護も禁止となったため、代理弁護士は「完全に違法な裁判」と当局の対応を批判した。

冤罪を主張し、服役しているのは女子大生の父親で元中学校教師の卞麗潮さん。中国国内で禁止されている伝統気功・法輪功の愛好者であり、2012年2月、「自宅に法輪功情報収録用の空白DVDを発見した」との理由で逮捕され、「法輪功問題を利用して公務執行妨害」との罪で懲役12年の判決を受けた。卞さんは一貫して無実を主張している。

法輪功の信仰を放棄しない卞さんは、刑務所で日常的に拷問を受け、高血圧や心臓疾患などを発症し、体重は80キロから50キロになったという。家族との面会も禁じられている。

こうしたなか、女子大生は母親と共に3月3日、刑務所を訪れ、再び面会を要求したが却下された。母親はその場で体調を崩し病院に搬送され、女子大生は翌日から毎日、刑務所と司法庁の前で、「父親に会わせて」という幕を掲げて抗議を続けた。いとこの陳さんも抗議活動に参加した。中国版ツイッター「微博」にこの出来事を投稿すると、フォロワーが20万人を超え、同情の声が寄せられている。当局は直後にアカウントを強制閉鎖し、12日には女子大生と陳さん、翌日には母親が「法輪功問題を利用して公務執行妨害」の容疑で逮捕された。

陳さんの父親(75歳)はカナダ在住で、急きょ帰国し、面会を要求したが断られた。

「我々は無実で、法的裁きを受ける道理がない」と陳さんは法廷審理の1カ月前からハンガーストライキを始めた。陳さんの父親はその後、カナダ大使館に助けを求めた。

代理弁護士によると、審理の当日、北京から現地入りしたカナダ大使館の副領事ら2人は「傍聴席が満席」との理由で入廷できず、親族全員の傍聴も禁止され、弁護は許されなかった。出廷した陳さんは「自力歩行困難で言葉を発するのも精いっぱい、極度な衰弱状態」だという。

カナダ外務省から、ハーパー首相が今年11月訪中の際、中国指導部メンバーに人権問題の一環としてこの件を提起したと両親の元に連絡が入ったという。

(記者・古清児、翻訳編集・叶子)

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