現代社会の生活はテンポが速く、競争が激しく、ストレスが多い。多忙を極める都会人とは正反対の生活を送る北欧人が、最近注目を集めている。シンプルで素朴な生活に戻る、たったそれだけで幸福は簡単に掴めるのかもしれない。
生活の質を大切に
北欧の街に高層ビルはほとんどなく、人々の身なりも純朴で質素。道を走っている車は長年使われているものが多く、食べ物も簡素な物が多い。享楽的な店がないため街は夜7時以降になると静かになる。このような場所で生活する人々の幸せとは、いったい何だろうか。
北欧の人々の言葉で言えば、幸せとはつまり「生活の質」。彼らは簡単で、自然で、そして幸せな生活に憧れている。
スウェーデンには古くから伝わる言葉がある。「お金は貯めることができるが、時間は貯めることができない。どのように時間を使うかが生活の質を決定する」。お金や贅沢な家、高級車に囲まれて過ごす人生ではなく、家族と大自然に囲まれて生活すること。これこそが、彼らの求めている生活の「質」であり、生活における「物質」ではない。スローな彼らの生活リズムは、北欧人の幸福のスタイルなのだ。
素朴な生活習慣
厳しい自然環境におかれた北欧人には、節約の習慣が根付いている。ご飯を食べないわけにはいかないが、素朴なもので満足できる。お金も必要以上に多くは求めない。北欧人の節約の伝統は至る所で見られる。衣服は高価でなくても、自分に似合うものであればそれで十分。近所の家に赤ちゃんが生まれたら、人々は使えそうな古着を綺麗に洗って持っていく。北欧人は、互いに古い衣服を送るのが日常的なことである。
北欧の国々は土地が広く、人が少ないが、道路はドイツよりも狭い。都市部でも真っ直ぐな道路は少なく、大部分が狭い路地である。自家用車は小型のものが多く、多くの人は自転車を通勤手段としている。彼らにとって、環境保護は一時のブームではなく生活に根差した習慣なのだ。
仕事の効率化を重視
「給料の多少を問わず、自分にとって好きかどうかをまず問う。好きな仕事だからこそ、情熱を注いで立派にこなすことができる」。これが北欧人の仕事に対する価値観である。彼らにとって仕事とは「辛い負担」ではない。
仕事を効率化するため、北欧人はさまざまな技術革新を行った。その結果、彼らはいつも余裕を持って仕事をし、余暇もたっぷりある。そうして獲得した余暇を、家族と一緒にレジャーに出掛けたり、喫茶店でコーヒーを飲みながら友達と談笑したり、本を読んだりして過ごす。しかし、だからといって北欧人が、毎日ただコーヒーを飲んで新聞を読んでいるだけの怠惰な人々であるということでは決してない。彼らが幸せを享受できるのは、その背後に仕事への情熱と効率化がもたらした高い社会福祉制度の存在があるのだ。
強い家庭観念
北欧人の家庭観念はとても強い。彼らが職場から帰宅して最初にやることは、「家族の時間」を過ごすこと。終業後にまっすぐ家に帰らず、外でぶらぶらする人はほとんどいない。働き盛りの男性でも、残業があるという理由で妻や子どもと一緒に過ごす時間を犠牲にしたくないと考えている。たとえ残業があっても、家族と過ごす時間にできるだけ影響が出ないよう努力する。「家族の時間」を確保するため、午前3時に出勤して仕事をすることも少なくない。早朝出勤をすれば、家族と一緒に過ごす時間は朝食での1時間だけを犠牲にすれば済むからだ。週末は、家族一緒に出掛けることが多い。大自然を満喫してリラックスするのが、彼ら流の週末の過ごし方だ。
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