量子力学から見る「天人合一」

「天人合一」(てんじんごういつ)とは、伝統科学、伝統文化の基礎的な考え方の一つである。この考え方によると、宇宙と人間は一体関係にあり、宇宙のすべての要素が人間に影響を与えていて、人間の変化はすべて宇宙の各要素の作用を反映しているという。

天人合一の考え方は古代の政治、軍事、天文、農耕、水利、医学などの各方面に応用されてきた。一方、漢方医学では、古来より人体は小宇宙であると認識されてきた。大宇宙の変化が小宇宙に影響を与えており、生理と病理を認識するには人体が月、太陽、星などの運行規律と繋がっていることを常に念頭において考える。

現代の実証科学は物事を分割し、局部や固体を中心に研究する手法のため、天人合一の考え方は現代人の意識から徐々に消えてしまったといえるだろう。「天を敬う」「自然を大事にする」という言葉はまだ残っているが、実際の行動において天意や天理を気に留めることは、ほとんどない。

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