イギリスのキール大学(Keele University)とサセックス大学(University of Sussex)の研究者が、学術ウェブサイトPLOS ONEに最近掲載した論文で、「おそらくミツバチが減少した主な原因は近代の最大汚染物質、アルミニウムである」と指摘した。
アルミニウムは生物の神経系に対して毒性を発揮する金属で、大脳に蓄積されると認知障害を引き起こすと言われている。「サイエンス・ワールド・レポート」のウェブサイトで6月8日、「ミツバチの幼虫は酷く汚染されており、体内のアルミニウム濃度は113~200ppmに達している」と発表された。通常、アルミニウムが人体に3ppm蓄積されると、脳組織は損傷してしまう。人間よりはるかに小さいミツバチの体内でこの数値のアルミニウムが検出されるということが、いかに汚染がひどいかを表している。
研究の主なメンバーであるキール大学のクリス・エクスレイ教授は、次のように分析した。「ミツバチやその他の送粉者となる昆虫の減少は、寄生虫からの攻撃や農薬の毒害、花の減少など、多くの原因が相互に作用した結果です。しかし、アルミニウムのように神経に対して毒性を持つ物質は、動物の行動そのものに支障をきたす可能性が非常に高いのです。ミツバチの日常行動は自身の認知能力に依存するところが大きいため、アルミニウムの体内蓄積によって誘発された認知機能障害が、ミツバチ減少の主な要因と考えられます。私達が今観察しているのは、アルツハイマー病に罹っているミツバチかもしれないのです」
(翻訳編集・金谷)
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