国際自然保護連合(International Union for the Conservation of Nature, IUCN)は、地球温暖化による氷層溶解が進むため、今後35年間でホッキョクグマは現在の推定個体数26,000頭より30%に減少する可能性があると警告した。
米科学技術専門報道ウェブサイト「テック・タイムズ」は、今年9月11日に米航空宇宙局(NASA)が撮影した衛星データから、北極圏海氷の広さが僅か170万平方マイルと、記録上4番目の縮小したと報じた。
氷床氷河の後退や減少によりホッキョクグマの生息地が狭くなることで、狩りもますます難しくなる。また、それによって引き起こされる飢餓はホッキョクグマの健康と共に彼らの繁殖にも影響を与え兼ねないという。
ホッキョクグマは主にアザラシを主食とし、その脂肪で越冬する。しかし、海氷が溶けてなくなれば、餌の獲れない状態下でホッキョクグマの生存は困難極まると指摘される。
また、雌クマは妊娠から出産までの8ヶ月間、大量の餌を食べてエネルギーを蓄え、冬眠する必要があるが、ホッキョクグマの赤ちゃんの生存率は母グマがどれだけ脂肪と体力を蓄えられるかにかかっている。気候温暖化による海氷や氷結速度の減少などで狩りが難しくなれば、母クマは子どもを育てられず、交配する体力もなくなりやがて絶滅に向かうと指摘されている。
ホッキョクグマは既に2015のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生生物リスト/Red List of Threatened Species)の「絶滅危惧II類(環境省の呼称)」に登録されている。
(翻訳編集・李青)
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