アメリカに本拠地を置く神韻芸術団の2016年世界ツアー・台湾公演が17日開幕した。初日公演の会場、新北市の国立台湾芸術大学演劇ホールに詰めかけた観客の間では、さまざまな地方訛りの中国語が飛び交い、昨年同様、中国全土からも多くの観客が来場した。
今年は同芸術団の台湾ツアーが始まってちょうど10周年にあたる。その舞台は、台湾人はもとより本土からの多くの観客をも魅了してきた。17日はあいにくの雨にもかかわらず、会場のチケットセンター前は、公演を待ちわびる中国人で早くからごった返していた。多くの人は取材班に対し、中国のインターネット封鎖を突破して公演を知った、周囲からの口コミで薦められたなどと語った。
本土のお笑い芸人の女性は、ハイテク技術を駆使したバックスクリーンの大映像と、ダンサーたちの古典・民族舞踊が見事に融合した舞台を鑑賞し、古代から連綿と続く中国悠久の歴史とその伝統文化が現代によみがえったと感じたと話す。
神韻のステージを中国本土で見ることができないことについて、ある中国の若いビジネスマンはこう語った。「まったく残念の一言に尽きます! 私たちのような若い世代にとって、文化大革命で破壊された民族文化のルーツを探るため、大きな力になってくれると思いますよ」
同台湾ツアーは3月17日から4月16日まで34公演を開催する。主催者によると、最初の開催地、新北市の公演チケットはすでに完売。台湾公演が終わると日本ツアーがはじまる。東京の新国立劇場を始め、名古屋、尼崎で8公演を予定している。
「文化大革命」で失われた中国伝統文化を舞台芸術で復興すると志す中国系アーティストが2006年、ニューヨークで同芸術団を結成。以来、毎年日本を含めて世界各主要都市で巡回公演を行っている。中国政府が規制しているため、本土での公演はまだ実現していない。
(翻訳編集・桜井信一、叶子)
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