10月27日、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)」サイトに掲載された研究報告で、子どもの片頭痛治療に疑似薬(プラシーボ)の砂糖錠剤が常用される2種類の頭痛薬と同様の効果があると発表された。
シンシンナティ児童病院、頭痛研究センターの心理学者スコット・パワーズ(Scott Powers)氏が率いるチームは、頭痛患者によく用いられるトピラマート(topiramate, 抗てんかん薬。日本では片頭痛の予防薬として使用)とアミトリプチリン(Amitriptyline、抗うつ薬。日本では片頭痛の予防薬として使用)、そして、砂糖錠剤をそれぞれ単独に服用させ、子どもの片頭痛患者への治療効果を一カ月間観察し、薬と砂糖錠剤の効果を比較した。
その結果、2種類の薬が片頭痛の継続日数を半減させることができるのと同様の効果が砂糖錠剤にもあることがわかった。また、よく処方されるこの2種類の薬は疲れやすい、口の乾燥、忘れっぽいなどの副作用があるのに対して、砂糖錠剤は上述副作用は現れなかった。その一方、トピラマートを服用した子どもの3分の1には手、腕、足のヒリヒリする症状が見られた。
パワーズ氏は、よく処方される2種類の頭痛治療薬は大人によく効くものであるが、子どもに効果的だという有力なデータはまだ得られておらず、今回の実験結果を踏まえて、強い副作用が伴う薬を子どもの片頭痛治療薬として優先的に使用するべきではないと指摘した。
(翻訳編集・豊山)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。