私たちは、なぜくしゃみや咳をするのでしょうか?それは、外部から体内に侵入してくる細菌、ウィルス、ホコリなどの異物を肺が感知した時に、それを排出しようとするからです。肺は外部からの侵入者を撃退する「防衛部隊」とも言えます。
中国の漢方でも、肺は人体の皮膚と同様に外来の異物の侵入を最も受けやすい部分であるとしています。空気が鼻を通って真っ先に入る肺は異物に敏感であり、温度や湿度などに影響されやすくデリケートな内臓なのです。
台湾の漢方医・胡乃文(こ・だいぶん)医師によると、肺は体内から細菌、ホコリなどの異物を追い出す方法として、段階を踏んでくしゃみ、咳で排出し、それても追い出せずに肺や気道に炎症を起こしてしまった場合は、粘膜から分泌された粘液(たん)で異物を包み、喉の外に出して気道をきれいにします。
今の病院は、たんがらみの咳が出ると咳止めの薬を処方します。一方、漢方で治す場合は、たんを液体の状態にして体外へ排出しやすくします。胡医師は、西洋医学と漢方では病に対する考え方に違いがあると指摘しています。
胡医師は、身体を最前線で守る肺にやさしい食物を紹介しています。
濃い米の煮汁
お米から煮出した煮汁は喉の渇きを抑え、肺を潤し、咳と風邪の予防に効きます。
材料:白米
作り方:洗った白米を鍋に入れ、お米が浸るくらいに水を多めに加え、加熱する。沸騰したら、弱火で煮込む。汁がサラサラ状態からドロドロ状態になったら、出来上がり。
百合根と白きくらげのスープ
漢方では、白色の食物は肺に良いという言い方があります。このレシピは全て白色の食材を使用し、肺を守り風邪を予防する効果があります。
材料:蓮の実37g、百合根17g、白きくらげ1個、氷砂糖適量
作り方:すべての材料を水でよく洗い、柔らくなるまで水に漬ける。柔らくなったら、鍋に入れ水を加えて加熱する。食べられる頃になったら火を止めて、お好みで氷砂糖を入れて出来上がり。
白きくらげのゼリー質が溶けるように、長時間加熱します。ゼリー質が溶け込んだスープは、よりまろやかな食感が得られ、また肺を潤す効果があります。
レンコンは涼性(体を冷やす性質)の食物で、鼻血が出た時や流行病などによる肺熱の時に食することを勧めます。特にレンコンの節の部分は冷やす性質が強いとされています。
材料(4人分):レンコン400g、豚スペアリブ400g、水1500cc、塩少々、胡椒少々
作り方: レンコンをきれいに洗い、輪切り(食べやすい厚さ)にする。鍋に水、スペアリブ、塩を入れて加熱する(途中でアクを取る)。レンコン、胡椒を入れる。スペアリブとレンコンが食べられる柔らかさになったら火を止めて出来上がり。
(翻訳編集・豊山)
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