ハッブル望遠鏡がとらえた銀河同士の衝突

地球から遠く離れた宇宙で、銀河同士がぶつかり合っている最中の現象が観測された。

NASAの科学者が最近、ハッブル宇宙望遠鏡(1990年に地球大気の外に設置されたもの)を使って、地球から約5億光年離れたうさぎ座のあたりにある、ちょっと変わった銀河「IRAS 06076-2139」を観察していた。

研究者らは当初、1つの銀河を観察しているつもりでいた。だが、詳細に調べてゆくにつれ、この「IRAS 06076-2139」は実は2つの銀河が衝突している最中なのだということが分かった。この2つの銀河は2万光年しか離れていなかったため、1つに見えていたのだ。

単独だと思われていたIRAS 06076-2139は、実は二つの銀河だった(ESA/Hubble & NASA)

だが、2つの銀河は時速200万キロというものすごい速さで衝突しているため、このようにぶつかり合っても、1つの銀河に融合することはほぼありえず、2つはこのまま交互に交差するだけだろうと予測されている。

研究者らによると、銀河同士の衝突は決して珍しい現象ではない。この2つの銀河が行き交っても、星と星の間はなお遠く離れているので、星同士の衝突が起きることはほとんどないという。

(翻訳編集・島津彰浩)