チェコ共和国東側、モラヴィアの歴史都市オロモウツ。この街は多くのバロック遺産やトヴァルーシュキをはじめとする地域名産料理でも知られています。大都市プラハから列車で2時間離れた位置にあり、中世から続く街並の雰囲気がゆっくりと満喫でき、旅行好きな人にとって穴場といえる街でしょう。
バロックの街オロモウツ
17~18世紀に最盛期を迎えたバロックの街オロモウツ、街中にはバロック様式の宗教建築物や要塞などがたくさんあります。
その中でも、ユネスコ世界遺産に登録されている聖三位一体柱は白眉といえるもので見応えがあります。また伝説上のオロモウツの創始者、古代ローマのユリウス・シーザー皇帝をかたどった噴水も人気。
その他にも、スヴァティー・コペチェク(聖なる小丘の意)の上にある聖母マリア訪問教会と呼ばれる建物内部の装飾の美しさには圧倒されます。ここは重要な巡礼地でもあり、毎年多くの巡礼者がこの地を訪れています。
オロモウツのトヴァルーシュキ
オロモウツのトヴァルーシュキは、独特の強い香りで知られるチーズで、オロモウツの重要な名産品として欧州原産地名称保護制度で保護されています。地元のビールとともに食せば、一生心に残るグルメ体験となること間違いなしです。
この強い香りが苦手な方は、ぜひトヴァールシュコヴァー・ツクラールナ(トヴァルーシュキのお菓子屋さんの意)を訪れてみてください。そこで売られているトヴァルーシュキ入りのクリームロールやシュトルーデルの濃厚な味わいもまた格別です。
トヴァルーシュキは、市内の至るところで販売されており、専用の自動販売機が市庁舎内に置かれているほど地元では大人気。ただトヴァルーシュキをお土産として持ち帰る際はキャリーケースに強い香りがうつってしまうかもしれないので要注意です。
オロモウツのバロックの祭典
チェコのバロック遺産の珠玉とも言えるオロモウツは、毎年7月、バロックの祭典が開催され、旧イエズス会修道院敷地内で上演されるバロックオペラや、バロック様式の教会や礼拝堂を巡るガイドツアーが楽しめます。
また秋になると、オロモウツ市内とその周辺地域では数多くの伝統的祝祭が催され、色とりどりの民族衣装に身を包んだ人々のパレードや、伝統的な楽器の演奏を耳にすることができ、モラヴィア・ハナー地方の色濃い伝統に触れることができるでしょう。
オロモウツへのアクセス
オロモウツは、交通アクセスがよく、プラハから直通列車で2時間程、値段も等級により、8~35ユーロで乗車できます。ブルノからだとさらに安く、バスで1時間、4ユーロほどで行けます。
お得なオロモウツ・カード
オロモウツへ旅行する時は、市内のみならず、中央モラヴィア地方、そしてイェセニーキ山地の観光スポット78ヵ所を無料で見学することができるオロモウツ・カードの購入がお勧め。この価格には、市内公共交通機関乗車料金も含まれ、更にこのカードで見学可能な場所を紹介する便利なガイドブックも付いて、240コルナの48時間有効カードと、480コルナの5日間有効カードの2種類があります。いずれもオロモウツ市内のインフォメーション・センターで購入可能です。
(編集・大道修)
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