10月30日、共産党中央弁公庁の丁薛祥・副主任が同庁主任に昇格した。(大紀元による合成写真)

中国共産党中央弁公庁などの新トップ、習氏の側近で固まる

2期目を発足させた習近平政権は着々と人事改造を進めている。北京市や上海市など主要都市に続き、このほど党中央組織部、党中央宣伝部と党中央弁公庁のトップも習氏の側近の陳希氏、黄坤明氏、丁薛祥氏で固まった。この3つの組織は、国内省・市のトップの人事、メディア統括、党最高指導者の日常業務の管理と処理を司る重要な党中央機関だ。

中央政治局委員と党中央組織部長に登用された陳希氏(64)は習近平氏と清華大学化工学部で学んだ大学生時代以来の学友で、非常に親密な関係にある。

陳氏は、清華大学党委員会書記、遼寧省党委員会副書記など歴任した。2012年、習近平氏が党総書記に就任してから、陳氏は党中央組織部の常務副部長に任命された。陳氏は各地の人事調整で、習氏の勢力拡大に貢献した。

30日、党中央宣伝部常務副部長の黄坤明氏(61)が同部長に昇格した。同日、黄氏は中央政治局委員、中央宣伝部長として、第12回全国人民代表大会常務委員会会議に出席し報告を行った。

黄氏は、習近平氏が浙江省トップだった時代の元部下で、07年から13年9月まで浙江省党員会書記、杭州市党委員会書記を務めた。13年10月に中央宣伝部常務副部長に抜てきされた。

中央宣伝部は国内すべてのメディアを統括し、党の思想や路線の宣伝や教育などを担当する重要な機関だ。過去、党内江沢民派の劉雲山氏が中央宣伝部を掌握していた。江派とされる劉奇葆・前部長は、黄坤明氏の昇格に伴い、更迭された。

また30日、中央政治局委員で中央書記処書記の丁薛祥氏も中央弁公庁主任に任命された。

丁薛祥氏(55)は習近平氏が上海市トップだった当時の市党委員会秘書長を務めた。13年5月に中央弁公庁副主任および習近平弁公室主任に昇任した。

中央弁公庁前主任の栗戦書氏は今回の党大会で最高指導部入りした。栗氏は、中央政治局常務委員だった張徳江氏に代わって、今後全国人民代表大会常務委員会トップを務め、また香港・マカオ事務を担当していく。

最高指導者の日常スケジュールを管理する中央弁公庁は、中国共産党の各機関の中で最も重要で、最も機密の部署だ。1997年から2012年まで令計画が同庁のトップだった。

令計画は16年7月、収賄や機密漏えいなどの罪に問われ無期懲役を言い渡された。

中国政府系メディアが10月29日第19回党大会で通過された中央規律検査委員会報告を掲載した。同報告では江派の「周永康、薄熙来、郭伯雄、徐才厚、孫政才、令計画らは党と国家の政治安全に重大な危害を与えた」と非難した。

(翻訳編集・張哲)

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