ブルガリアに、施されたお金をすべて寄付する老人がいます。
「ドブリ爺さん」または「バビロンの聖人」と呼ばれるドブリ・ドブレブさん(103)は20年間、毎日寝泊まりする場所から20キロ以上離れたブルガリアの首都ソフィア(Sofia)へ足を運びます。そして、アレクサンダー・ネブスキー大聖堂(Cathedral of Alexander Nevsky)の決まった場所に立ち、人々に小銭を乞います。毎日長時間にわたり立ち続け、もらった小銭は全て孤児院と教会に寄付しています。
ドブリさんによると、これまでに寄付した金額は全部で4万ユーロ(約533万円)。彼自身はお金に無頓着で、毎月80ユーロ(約1万円)の年金で生活しています。禁欲的な暮らしをしながら奉仕活動をする姿が、古代の「聖人」を彷彿とさせます。
信仰心の厚いドブリさんは、人間の罪について、「嘘をつくこと」や、「人のものを盗むこと」が特によくないと話しています。その中でも一番悪いのは「姦通」で、これが家族を破壊するといいます。彼は、「人間の心の中には、神と悪魔がともに宿っており、いつでも戦っています。神の意志に従えば、神は助けて下さり、善を持っていれば全てが良いものとなります。神が我々を愛して下さるように、我々もお互いを思いやるべきです」と話しています。
教会に通う信者は、「彼はいつもおとなしく立っているだけです。人々は自ずとコップにお金を入れていきます」と話しました。ドブリさんは、今日も同じ場所で静かに立っています。
(翻訳編集・豊山)
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