露が英に外交官の追加削減要求、神経剤襲撃事件受け対立激化

[モスクワ 31日 ロイター] – ロシア外務省は31日、英国に対してロシア駐在の外交官や職員をさらに50人余り減らすよう伝えたと発表した。英国で元ロシア情報機関員らが神経剤で襲撃された事件をきっかけに、両国の対立は激化の一途をたどっている。

緊張状態が続く中で、ロンドンのヒースロー空港ではアエロフロートの旅客機が31日、英当局の捜索を受ける事態も発生。ロシア側は英政府に説明を求めるとともに、ロシアが国内で英国の旅客機に同様の扱いをする権利を持っていると警告した。

またロシア政府は国民に反ロシア感情が高まっている英国への渡航を慎重に考慮するよう呼びかけている。

これまで英国に追放されたロシアの外交官は23人、欧米全体では100人を超える。英政府は神経剤襲撃はロシアが責任を負うべきだと主張しており、ウィリアムソン英国防相は31日、同盟諸国の英国支持を「心強く感じる」と発言した。

ただロシアは事件への関与を否定し、ロシアを孤立させ東西関係を損なうための欧米の謀略だと反論。既に英国への報復として23人の英外交官を追放したほか、英国を支持した23カ国の外交官59人も退去させた。さらに英国の駐ロ大使を呼んで、ロシアにいる英外交官・職員の数を1カ月以内に駐英ロシア外交官・職員並みに減らすよう要求した。

英外務省報道官は、こうしたロシアの要求が具体的に何人の外交官削減を意味するか明言しなかったが、ロシア外務省のザハロワ情報局長は「50人を少し超える規模の英外交官・職員」を追加で減らさなければならないと指摘した。

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