マレーシアのナジブ前首相、1MDB疑惑で汚職防止委が聴取
[クアラルンプール 22日 ロイター] – マレーシアのナジブ前首相は22日、政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」を巡る汚職疑惑に関連した聴取を受けるため、クアラルンプールにある汚職防止委員会(MACC)の本部に出頭した。
ナジブ氏は、1MDBの元子会社SRCインターナショナルから同氏の口座に4200万リンギ(1060万ドル)が送金された件で、MACCから説明を求められている。
この額は1MDBから流用されたとされる数十億ドルのごく一部にすぎないが、MACCは国内取引が中心で資金の追跡がしやすいSRCインターナショナルからの送金の捜査にまず着手する。
ナジブ氏は巨額の資金流用に関与した疑惑が痛手となり、5月9日の総選挙で敗北、退陣した。
総選挙で勝利し、新首相に就任したマハティール元首相は1MDBを巡る汚職疑惑の捜査を再開。このファンドから消えた資金を回収すると宣言している。
1MDBからの送金は海外の銀行や企業を介している。
新政府は21日、1MDBの捜査にあたり、米国、スイス、シンガポール、カナダなど関係各国の当局と連携を図るため、マレーシアのMACC、警察、中央銀行のメンバーで構成される作業チームを発足させた。
米司法省は22日、1MDBへの調査を継続するとし、マレーシア当局との連携に期待するとの声明を出した。
ナジブ氏は2015年に1MDBを巡る疑惑が発覚して以来、一貫して不正行為を否定する一方で、法務長官を解任し、MACCのスタッフを交代させるなど、捜査の幕引きを図る動きも見せていた。
ナジブ氏は先に、個人口座にある6億8100万ドルの資金について、サウジアラビアの王族からの寄付金と説明し、IMDBから送金された資金だとする報道を否定していた。
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