「目が見えなくても、W杯を見たい」コロンビアのある男性は、目の不自由な友人のそんな願いをかなえた。
25日、コロンビア首都ボゴタのとあるレストランで、同国対ポーランド戦がテレビで生中継されている。叫び、歓喜、泣き、抱き合い…店内は熱気に包まれている。そこにガレゴさんの姿があった。
ガレゴさんは9歳のとき、病気で視力と聴力を失った。サッカーが大好きだった。目が見えなくなっても、サッカーへの情熱が衰えることはなかった。元気だったころ観戦したサッカー試合はいつまでも覚えている。
3年前、ダサさんと知り合い、共通の趣味であるサッカーを通じて、二人はすぐに意気投合した。ガレゴさんにもう一度サッカーの試合を「見てもらいたい」と、ダサさんは独学で手話を勉強し、試合の実況を伝えるために二人にしか分からない「手話」を編み出した。ミニサッカー盤でガレゴさんの手を取って一緒に「手話」をすれば、ガレゴさんは、今のはペナルティーキックか、コーナーキックか、誰かが反則で退場したのか、すぐ分かるようになる。
コロンビアが1点決めた!アナウンサーの絶叫とともに、二人は手を取って喜びを分かち合った。そのタイミングは周りのサポーターとほぼ同じ。聞こえなくても見えなくても、ガレゴさんはサッカー試合を「見る」ことができた。
コロンビアチームはその日、ポーランドを下し、決勝トーナメント進出を果たした。ガレゴさんのサッカー観戦はまだまだ続く。
(翻訳編集・李沐恩)
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