米、EUとの合意受けNAFTA再交渉・対中国の取り組み強化へ

[ワシントン 26日 ロイター] – 米政府は26日、前日に欧州連合(EU)との間で貿易摩擦の緩和に向けた協議で合意したことを受け、カナダ・メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を前進させる姿勢を示した。中国の貿易慣行を巡る対応でEU側が米国を後押しする意志を示したといい、中国に対する圧力が強まる可能性もある。

トランプ米大統領とEUのユンケル欧州委員長は25日、ワシントンで会談し、自動車を除く工業製品に対する貿易障壁の撤廃を目指すことで合意。米国側はEUとの交渉中は自動車関税など新たな関税の発動を控えるとした。

EU側は今回の合意で、米国との通商交渉入りと自動車関税の発動回避を取り付ける一方、米国からの大豆とエネルギーの輸入拡大に応じた。米国とEUで貿易戦争の回避が歓迎される中、合意における勝利を双方が主張している。

一方、マクロン仏大統領は26日、今回の合意を受け、米国との交渉で農業について協議しない意向を表明した。

ムニューシン米財務長官は26日、CNBCとのインタビューで、米国とEU当局はまず鉄鋼・アルミニウム関税問題の解決に取り組むとした上で、双方は通商問題全般を巡り、向こう1年間で段階的に合意を固めていくとの見通しを示した。

長官はまた、NAFTA再交渉については「近い将来、原則合意が得られることを期待する」と発言。「合意が1つであれ2つであれ、われわれが正しい合意に至るのであれば、それは問題ない」と語った。

EUとの合意は、中国による米企業の知的財産権侵害を阻止する米政府の取り組みを助けることにもなりそうだ。

ムニューシン長官は、通商問題を巡り中国とも水面下の交渉を行っているが、欧州との交渉に重点を置いていると説明。「昨日のEUと同様、中国に真剣に変わる気があるのなら、われわれはいつでも中国と交渉を行う」と述べた。

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は26日、ユンケル委員長がトランプ大統領との会談で、中国の貿易慣行を巡る対応で米国を後押ししていく意志を明示したことを明らかにした。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は26日、上院歳出小委員会で証言。中国との一部通商問題の解決には数年を要すると予想し、世界の鉄鋼生産能力過剰問題は中国がすべての要因と指摘した。また、対中貿易摩擦で影響を受ける中小企業への支援は現時点で検討していないと語った。

NAFTAを巡っては、初めにメキシコと、続いてカナダとの合意に期待感を示した。

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