米加NAFTA協議、月末まで継続も 加外相「非常に良い進展」

[ワシントン 7日 ロイター] – 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とカナダは7日も二国間協議を継続した。カナダのフリーランド外相は「非常に良い進展が見られている」と指摘。ただこの日、協議は月末まで継続する可能性があるとの見方をカナダ当局者が示していることが明らかになった。

ワシントンを訪れているフリーランド外相はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との話し合いの後、記者団に対し、協議は建設的に進んでいると改めて表明。「相互理解に向け非常に良い進展が見られている。双方のニーズを共に理解しつつある」と述べた。

ただ、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長によると、2国間協議で最も難航しているのがカナダの乳製品の市場開放を巡る問題。同委員長はこの日のFoxビジネスネットワークのインタビューで、カナダとの協議で合意を阻む要因となっているのは 「M、I、L、K(牛乳)」だとし、カナダに対し牛乳や乳製品の障壁を取り除くよう呼び掛けた。

カナダとの交渉では乳製品のほか、協定19条の紛争解決制度や、国内で製作されたメディアコンテンツを優遇するカナダのメディアに関する国内法などが問題点となっている。

トランプ大統領はこの日、大統領専用機上で記者団に対し「カナダに対する態度は強硬過ぎるとの見方もあるが、カナダは長年にわたり米国を搾取してきた。カナダは米国を公平に扱う必要がある」と述べている。

今週に入ってから交渉団は週内の見解の相違の解消に向け夜遅くまで協議を継続。フリーランド外相は「継続的な交渉モードに入っている」と述べていた。ただこの日、カナダ関係筋の話で、カナダ交渉団は米国との協議は月末まで継続する可能性があるとの見方を示していることが判明した。

米政権はNAFTA再交渉でメキシコとはすでに合意しており、カナダにも同様に合意するよう圧力を掛けているが、カナダ政府はこれに対抗。関係筋はカナダは合意が得られると楽観的な見方を示しているとしているが、2017年8月に始まったNAFTA再交渉協議の着地点はいまだ見えていない。

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