トランプ氏批判のNYT論説、「クーデター」に相当=バノン氏

[ローマ 9日 ロイター] – スティーブ・バノン元米首席戦略官は、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が掲載したトランプ政権高官による政権内の抵抗勢力に関する論説文について、トランプ氏への「クーデター」に相当するとの見方を示した。訪問先のイタリアでロイターのインタビューに応じた。

バノン氏は「想定し得る最も深刻な事態となった。これは国家制度に対する直接攻撃だ」と強調。「これはクーデーターだ」と続けた。

NYTが掲載した匿名の寄稿文は、トランプ氏は善悪の区別ができないと批判し、「政権内の多数の高官は、トランプ氏が掲げる一部の政策や危うい衝動を阻止しようと政権内で熱心に取り組んでいる」と記している。

バノン氏は「これは危機だ」と指摘。このような危機が過去に起きたのは、南北戦争さなかの1862年に当時のリンカーン大統領が大統領側の北軍の司令官などと対立した際の一度だけだったとの見解を示した。

トランプ大統領は7日、同論説文について、NYTを調査するよう司法省に要請したことを明らかにした。

バノン氏はホワイトハウス内の主流派との不和を背景に、2017年8月にトランプ氏によって解任されている。

同氏はインタビューで、「トランプ氏が米大統領にふさわしくないと考える共和党の権力層による陰謀が存在している」と主張。「わたしは陰謀論者ではない。ディープ・ステート(闇の政府)は存在しないと述べてきた。これは大胆不敵な政府だ」と語った。

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