息をひそめ書いたSOSレター 「悪の巣窟」馬三家労働所から 手紙主が伝えたかったこと
一年前の中秋節、2017年10月1日。バリ島の病院で、法輪功学習者の孫毅さんが死亡した。残酷な拷問を加えることで悪名高い中国の収容所から窮状を伝え、世界に人道犯罪を暴露した、SOSレターの書き手だった。
孫毅さんは中国国営の石油企業勤務のエリートで、英語にも堪能だった。しかし、信条を理由に共産党当局から十数年間におよぶ拘束、収監、釈放、家族への嫌がらせが繰り返された。孫毅さんは中国国内の滞在は難しいと判断し、インドネシアへ亡命を試みた。現地生活に慣れるためにも現地の会話を学び、仕事を探していた。
住まいのあったジャカルタでは、中国公安当局者が接触していたとされ、不自然な急死には暗殺説も浮上している。バリ島の病院は、急性腎不全と診断した。家族や友人は、彼は腎臓を患っていないとして事件性を疑い、現地警察へ捜査を求めたが、この訴えは受理されていない。
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