中国 患者を「できるだけ引き止めろ」 現場証言と当局発表が食い違い

中国公立病院で「収益ノルマ」?  医師が内部告発

2026/03/07 更新: 2026/03/07

「できるだけ患者を引き止めろ」

中国西部・甘粛省の公立病院で、医師に「収益ノルマ」が課されているとの内部告発が波紋を広げている。告発した医師は、目標を達成できなかったことを理由に、診療の現場から外されたと主張している。

中国メディアの報道によると、甘粛省蘭州市の口腔専門病院の医師が、病院から毎月2万5千元(約57万円)の収益目標を求められていたと明かした。

目標を達成できない場合、ほかの医師から「数字」を分けてもらい、その分の金額を自分の給与から支払うこともあったという。

この医師はさらに、「治療が必要かどうか判断が分かれる患者でも、できるだけ治療につなげるよう求められる」と説明した。収益目標を達成できなかった結果、臨床の仕事から外され、別の部署に回されたと語っている。

これに対し、病院側と蘭州市の衛生当局は2月26日、調査結果を発表し、「収益ノルマは存在しない」「それを理由に医師を外した事実もない」と全面否定した。

しかしネット上では、医療関係者とみられる投稿が相次いだ。

「『収益ノルマ』という言葉を使わないだけで、実際には業績評価や診療実績として数字が求められる」「これは全国の公立病院で多かれ少なかれある」といった声である。

中国の多くの公立病院は、国からの補助だけでは運営費をまかなえず、不足分を自らの診療収入で補う仕組みだと指摘されている。そのため、病院側が一定の収入確保を求める構造が生まれやすいとされる。

医療は本来、患者の必要性を基準に行われるべきものだ。だが、もし医師に収入の数字が課されているとすれば、診療の判断が歪む可能性も否定できない。

 



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李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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