中国の官僚社会では近年、仕事を積極的に進めない「やる気なし行政」が広がり、「無理をせず静かに過ごす」という空気が強まっている。
こうした中、安定を求めて公務員試験を受ける若者の間では、「できるだけ楽な部署」を探す話題がネットで盛んに語られるようになった。
最近、中国のネットでは「公務員の楽な職場ランキング」や「のんびりできる部署ガイド」といった記事が次々と拡散している。「公務員試験に合格すれば、あとは無理せず過ごせる」という冗談が、公務員人気の本音を表す言葉になっているという。
楽な職場ランキングに挙げられたのは、総工会(労働組合を統括する組織)、政治協商会議(政府の諮問機関)、気象局、地震局、退職幹部を担当する部署、地方の科学技術団体、文芸団体など、比較的業務量が少ないとされる機関だ。
中国では近年、若者の間で「安定した仕事」を求める傾向が強まり、公務員試験の人気が高まっている。景気悪化で不安定な民間企業と比べ、安定した給与があり解雇の心配も少ない公務員は「最も安全な職業」と見られている。
こうした話題が広がると、党機関紙「人民日報」は3月2日、「楽な職場ランキングは若者を惑わす」と批判する記事を掲載した。若者が公務員を目指すのは責任感や使命感によるものだと強調し、ネット上のいわゆる「楽な部署ガイド」を問題視した。
しかしネットでは、「誰でも楽な仕事を探すのは当然」「だからみんな公務員を目指すんだろう」といった反論が相次いだ。「わざわざ否定するということは、図星なのではないか」といった声もあり、党機関紙の批判を逆に笑う声も目立った。
ネットで拡散した「楽な職場ランキング」は、中国の若者が公務員という仕事をどう見ているのか、その本音を浮き彫りにした出来事となった。
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