新北米貿易協定、自動車産業で雇用の国内回帰進む=米商務長官

[ワシントン 1日 ロイター] – ロス米商務長官は、メキシコおよびカナダとの新たな貿易協定により、数万人の雇用がサプライヤーを中心とする米国の自動車産業に戻ってくるとの見通しを示した。一方、業界の経営幹部やアナリストは、コスト上昇が販売に打撃となる可能性があるとしてそれほど楽観的な姿勢をみせていない。

ロス商務長官は1日、ブルームバーグTVに対し、新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の下で、米国で失われた自動車部品関連雇用25万のうち「大部分」が戻ることになると指摘した。雇用が失われた時期や、雇用が戻るまでにかかる期間については説明しなかった。

複数の自動車業界幹部は匿名を条件に、新たなルールにより一部の部品生産を緩やかに米国へシフトする必要があるとしたものの、雇用の劇的なシフトにはつながらないとの見方を示した。

米国で自動車部品組み立てに従事する雇用者数は2000年の約85万人から約57万7000人に減少。工場における自動化の進展や生産性の向上、およびメキシコといった低コスト国へのシフトが背景だ。現在の雇用水準は07─09年金融危機前となる10年前の水準前後となっている。

自動車コンサルティング会社P3ノースアメリカのサミット・ゴーシュ社長は「自動車のコスト上昇につながるだろう」と指摘。これが最終的に販売、ひいては生産に打撃となる可能性があるとの認識を示した。ただ、雇用面における差し引きの効果は不明だと付け加えた。

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