トランプ米大統領、牧師釈放でトルコに謝意 取引は否定

[ワシントン 13日 ロイター] – トランプ米大統領は13日、トルコで拘束されていた米国人牧師アンドリュー・ブランソン氏の釈放は、両国関係の改善に向けた「とてつもなく大きな」前進だと述べた。ただ、トルコ政府との間で取引があったとの見方は否定した。

トランプ氏は大統領執務室でブランソン牧師と面会した際、記者団に対し「取引と呼べるものがあったとすれば、心理的な取引だけだ。われわれのトルコに対する感情は、昨日とまったく変わった。トルコと本当に、はるかに緊密になれる機会があると思う」と述べた。

同牧師は2016年のクーデター未遂事件を起こしたグループや反政府武装組織のクルド労働者党(PKK)を支援したとして起訴された。テロ関連の罪で3年と1月半の禁錮刑を言い渡され、2年間の収監後、今年7月から自宅軟禁下に置かれていた。

米国は8月、トルコからのアルミニウムと鉄鋼の輸入関税を2倍に引き上げ、両国関係は悪化。リラ<TRYTOM=D3>は対ドルで急落した。今回の釈放で、関係が改善する可能性がある。

トランプ大統領はトルコへの制裁解除を約束しなかったものの、両国の「辛辣な関係」の終わりを歓迎すると述べた。

この日同牧師はポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)、議員や自身の家族らが集まった大統領執務室で、トランプ氏の肩に手を置き、神が「神秘的な知恵」を同氏に与えてくれるよう祈った。

エルドアン大統領はこの日ツイッターで、同牧師の釈放は司法の判断であり自分の判断ではないと改めて強調。「親愛なる大統領へ。いつも指摘している通り、トルコの司法制度は独立して、今回の判断に達した」とした上で、「両国が同盟としての協力関係を継続し、ともにテロ集団と戦っていくことを希望する」と投稿した。

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