韓国大統領発言は責任を日本に押し付け、極めて遺憾=菅官房長官

[東京 11日 ロイター] – 菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、元徴用工を巡る問題に関連した韓国の文在寅大統領の発言について、韓国側が負っている協定違反の責任を日本に転嫁するものであり極めて遺憾として、強い調子で批判した。

文大統領は10日、徴用工問題で日韓関係が悪化していることについて、日本が韓国との歴史問題を政治化させることは今後の二国間関係を損ねる可能性があり賢明ではない、などと発言していた。

菅官房長官は「日韓請求権協定は両国を拘束するものであり、大法院判決以降、韓国側に協定違反の状態が作り出されている」と指摘。その上で「この責任は韓国側にある。それにもかかわらず、現在に至るまで韓国政府が具体的措置をとらず、かつ原告側による日本企業の資産の差し押さえの動きが進んでいることは極めて深刻と考える」との認識を示した。

さらに「今回の文大統領の発言は韓国側の責任を日本側に押し付けるものであり、極めて遺憾だ」と、これまでになく強い調子で韓国政府を批判。「日本側としては協議要請をしており、韓国側が誠意をもって応じるものと考えている」と述べた。

一方、厚生労働省の毎月勤労統計に調査漏れがあったことについて官房長官は、統計の信頼性を損なう問題で遺憾であるとの認識を示し、国民に不利益が生じないよう原因究明と再発防止にしっかりと取り組むべきと指摘した。その上で、政府の主要統計全体について点検を行う方針を明らかにした。官房長官によると、対象となる統計は56。

厚労省からは、雇用保険は過去にさかのぼって支給するとの報告を受けているという。また「19年度予算については修正することになる」と述べた。

(中川泉 編集:田中志保)

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