政府、再集計した18年実質賃金を来週公表へ ‐0.5%前後=関係筋

[東京 1日 ロイター] – 政府は、毎月勤労統計の不適切処理問題で野党側から要求されている2018年の共通事業所における実質賃金の再集計結果を来週、国会に提出する方針を固めた。複数の関係筋が1日明らかにした。これまでの公表結果とは異なり、前年比マイナスの結果となる見通し。財政・金融政策の総動員で賃金上昇を通じた景気の好循環を目指してきたアベノミクスにとって、個人消費の起点となる実質賃金のマイナスは、多くの議論を呼びそうそうだ。

厚生労働省では、17年まで実施してこなかった復元処理を行った上で再集計した実質賃金指数を1月になって発表したが、これはサンプル入れ替えを行った18年以降と段差があり、実質賃金の伸びが正確に把握できないと野党側から指摘されていた。

西村康稔官房副長官はこうした指摘を受け、31日の会見で、同一事業所で比較した実質賃金についても計算できるかどうか厚生労働省で検討しているはずだとして、公表を促していた。

野党側は毎勤統計の不正処理で多くの経済統計に影響を与えており、全容を解明しなければ、予算審議には応じないとの立場を鮮明にしている。

政府・与党側は、来週早々にも予算委員会を衆参両院で開き、2018年度第2次補正予算の審議を進める方針だが、毎勤問題が審議のネックになっていた。このため、政府・与党は、実質賃金の再集計結果を早期に公表し、野党の理解を得る方針を固めた。

来週の予算委員会もしくは厚生労働委員会に、厚労省が再集計結果を公表する。2018年1-11月の実質賃金は平均で前年比0.5%前後のマイナスになるとみられている。

*内容を追加しました。

(竹本能文※)

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